猫といねむり。

: 猫と暮らす毎日の備忘録 :

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猫と喘息のくすり

●はじめに

日本の獣医療では猫の喘息治療が確固としていません*1。咳をする猫さんの状態の深刻さの度合いを測ることが難しいこと、咳をする猫さんを動物病院に連れて行って長期治療を試みる方がまだ少ないことから、開業獣医さんのもとでの臨床例もまだ少ないものと考えています。そのために積極的に長期治療を望む患者さんが治療方法の選択肢を獣医さんから積極的に受けることができない場合もあります

軽い咳(1年に数回)であれば特に対処せず済ませてしまうことは人間でも可能です。しかし中程度~難治性の場合(明け方に咳の発作がある)には内服薬等の通常の治療ではコントロールが難しくなります。そこで(人間でも)吸入器を使っての薬剤導入を試みることになります。

私自身は人間の喘息薬の対症療法に使われる薬を約2年間うちの喘息猫さんに利用しています。現在はステロイド剤の吸入を中心にしてステロイド剤の内服を減薬して喘息をコントロールすることを試みています。

ここに至るまで、そして今現在もよりよい治療を模索しています。人間用の薬剤を参考にした備忘録としてこの[memo]「猫と喘息の薬」を記しています。所々の訳は特に明記なき限り筆者によります。記載した内容について理解不十分な点が見受けられる場合には、コメントなどでお知らせいただけると幸いです。お気づきの点がございましたらご教示いただけると有り難く存じます。


●喘息の薬について

猫の喘息の治療にも人間用の薬が使われています。しかし人間の喘息治療薬すべてを猫に利用できるわけではありません。猫と人間とでは代謝のしくみが違うこと(人間用の薬を開発する際に経る動物実験では猫が試験対象となることはそれほど多くありません)から、人間--とくに小児に安全に使われているものであっても猫には致死的に危険なものもあるからです。

日本で利用されている薬についてはできる限り出典を明記しています。

アメリカで利用されている薬はGlossaryFeline Asthma with Fritz the Braveを参照しました(薬剤名の後に*を付記しています。別ページの場合はリンクを別途貼っています)。

イギリスで使われている薬はCurrent therapy of chronic bronchial disease in cats(※リンク切れ), treatments,medicationsFeline Asthmaを参照しました(薬剤名の後に**を付記しています。※2009-04-05訂正:URLリンク切れに気づきました。正しいものと思われる先に訂正をいたしました。)。

薬についての基礎知識(メルクマニュアル家庭版)が参考になります。単位については単位の換算表(メートル法単位で使われる接頭辞をご参照ください(mg=10-3g、μg=10-6g。50μg=0.000001g×50 となります)。

※人間の喘息に使われる薬は
[簡易]
 ・メルクマニュアル家庭版
 ・喘息における禁忌薬おくすり110番
[詳細]
 ・アレルギー情報センター厚生労働省
 ‥ガイドライン「EBMに基づいた喘息治療ガイドライン
 ‥ 薬剤情報 > 喘息の薬:1. ステロイド薬、2. β刺激薬、3. テオフィリン薬、4. 抗アレルギー薬、5. 漢方薬、6. 去痰薬
  

※医療用医薬品の添付文書は医療用医薬品の添付文書情報独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)にて検索のうえ閲覧可能です。




[記号の意味]

 ‥アメリカ*、イギリス**、日本で喘息の猫に使われている薬
 ‥アメリカ*またはイギリス**で喘息の猫に使われている薬
(△)‥アメリカ*、イギリス**で緊急時に使われている薬
 --‥アメリカ*、イギリス**以外の国で使われている薬
  × ‥喘息の猫に使われていない薬・禁忌
 ‥喘息の猫への適応について未確認の薬




●抗生剤

 →★詳細:猫と抗生物質携帯]にまとめています。


ステロイド薬

 →★詳細:内服・注射薬について猫とステロイド携帯]にまとめています。
 →★参照:医療用医薬品の添付文書は医療用医薬品の添付文書情報独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)にて検索のうえ閲覧可能です。
 

 ◆内服の場合

 プレドニンプレドニゾロン
※錠剤名に貼った各リンク先に錠剤の画像数点あり。
※包装コードから製薬会社と錠剤の画像を調べるにはhealthクリックが便利です。

prednisolone**‥"Glucocorticoid 1-2mg/kg PO BID to start; taper as possible".

プレドニゾン20mg
 :プレドニゾン(※右写真は20mg。5mg錠剤もあり)
Prednisone*‥"a corticosteroid, breaks down in the body into Prednisolone. A powerful anti-inflammatory, used to treat allergies, inflammation and autoimmune diseases. Most commonly prescribed in 5mg tablets."日本でも獣医(個人輸入)の処方あり。


 ◆注射薬の場合

  デポ・メドロール Depo-Medrol ‥酢酸メチルプレドニゾロン注射液。
 (△): ** Betamethasone sodium phosphate Glucocorticoid 0.8 mg/kg IV, IM, SQ Acute emergency Rx
 (△): ** Methylprednisolone sodium succinate Glucocorticoid 50-100 mg/cat IV, IM, SQ Acute emergency Rx

 ◆外用薬(吸入)の場合

**‥Glucocorticoids are also potentially more effective given by the inhaled route and systemic side-effects can be avoided.(グルココルチコイドは吸入することで有効性が強力に高くなるし、全身に及ぼす副作用を避けることができる)。

※猫の喘息治療で吸入薬を利用する場合には猫用の吸入器Aerokatを利用します。詳細は[猫の喘息について:自宅でのエアゾール治療(AeroKat)]にまとめています。

※AeroKatを使ったステロイドの吸入についてのプロトコル[PDF](Dr. Philip Padrid, RN, DVM, "Feline Asthma, Treatment Guidelines for Using Inhaled Medication,Flovent™ (fluticasone propionate) and albuterol metered dose inhalers with the AeroKat™ Feline Aerosol Chamber",2004.
Feline Asthima with Fritz the Brave(英語)‥猫さんの喘息の程度の判定基準、各程度に応じたステロイド剤の吸入パターンと症状が治まらない場合の内服処方についても書かれています)

各種吸入薬の1日投与量の目安喘息ホットニュース)や各種吸入薬の1容器(ボンベ)あたりの噴射回数西藤こどもクリニック「こどもと喘息」)も参考になります。


 << 一般に利用されているくすり >>

 ×パルミコート
成分名ブデソニド
Budesonide*‥"No studies or long term clinic experience to support its efficacy or safety for cats"(猫に投与した場合の有効性や安全性を支持する根拠となる研究や長期投与の臨床例がない。)

※「電動式ネブライザーで吸入できる唯一のステロイド薬」。参照:薬事日報2006年9月25日記事。パルミコート吸入液:待望の乳幼児用吸入ステロイド@日経メディカルオンライン。プレスリリース。

※猫のIBD(Inflammatory Bowel Disease 炎症性腸疾患)には同剤の利用があり吸入薬についても腸への応用を検討する獣医が多いようです。作用の強い薬剤(プレドニゾンの15倍)であるため身体の小さな動物への臨床例はまだ限られたものです。"The problem with this seemingly ideal treatment plan is that budesonide is a very strong corticosteroid (about fifteen times stronger than prednisone). This means that even the minimal amount that is absorbed can be significant. Appropriate dosing is very important with this medication and one should note that experience with this drug in small animals is still limited. Inhalant formulations of budesonide have been developed to treat asthma in humans but most veterinary interest has regarded intestinal applications." →more info.ANIMAL PHARMACY CENTER


 フルタイド US Flovent®, UK Flixotide®

フルタイドのなかみ

成分名フルチカゾン プロピオン酸エステル。
→★参照:「フルタイド50・100・200ロタディスク、50・100・200ディスカス、50・100エアーの使用上の注意を改訂」[html]@GlaxoSmithKline(2008-09-01)
フルタイド50エアー/フルタイド100エアーの添付文書

Fluticasone*‥"an inhaled corticosteroid. No side effects seen in cats. The inhaled steroid is not absorbed in the bloodstream. Equally potent to oral prednisone 1 mg/kg bid. Brand name: Flovent®." (フルチカゾンは吸引コルチコステロイドである。猫では副作用が見られない。吸引ステロイド剤は血流に吸収されない。プレドニゾン1mg/kg BIDの経口投与と同じ強さの作用がある。)

Fluticasone propionate**‥"is the glucocorticoid that has most commonly been used in cats. This is a highly effective but expensive inhaled steroid, with an advantage of virtually no systemic effects whatsoever."(フルチカゾンプロピオン酸は猫にもっともよく使われてきたグルココルチコイドである。非常に効きめがあるものの高価な吸引ステロイドで、[局所に作用して]全身に作用をほとんど及ぼさないという利点がある。[]は筆者による補足。)

"Currently, fluticasone is considered the most potent formulation with the longest duration of action."(現在、フルチカゾンは最も強い薬剤で持続時間も最長だと考えられている。)出典:the Merck Veterinary Manual: Pharmacology : Systemic Pharmacotherapeutics of the Respiratory System : Inhalation Therapy of Airway Disease : Glucocorticoids

※「フルタイドは抗炎症作用がパルミコートやキュバールよりも強い」(参照:吸入ステロイド薬の副作用)。

※小児における急性副腎不全についてはフルタイドについて喘息FAQ < 喘息を克服するためのページ(喘息患者の会『わかば会』運営)を参照。[web魚拓


 キュバール Qvar®
成分名プロピオン酸ベクロメタゾン。
Beclomethasone*‥"inhalation corticosteroid."
"Beclomethazone may be considered as an alternative. 100 or 200 mg MDI(‥):1-2 doses, twice daily.‥Qvar‥"is a form of beclomethasone that is currently under investigation as its smaller particle size may allow for using loawer doses. 50mg MDI‥:2 doses,2-3 times daily".(ベクロメタゾンは選択肢として考慮されうる。‥キュバールはベクロメタゾンを成分としており、その粒子の細かさから低用量での利用が可能か治験の段階にある。)出典: Dr. Danièlle Gunn-Moore BSc BVM&s PhD MACVSc MRCVS,"Chronic Coughing in Cats" Part 3.,p2.

※日本での小児への適用は2005年1月19日から(こどもと喘息
 
 << 2007年発売のくすり >>

 オルベスコ
新たな合成ステロイドであるシクレソニドを主薬とする。日本で初めての1日1回投与製剤(薬事日報2007年6月13日記事)・プレスリリース)。薬剤が肺で活性化される局所活性化型のプロドラッグ(お薬110番)。


 アドエア
吸入ステロイド薬フルチカゾン(商品名:フルタイド)と長時間作用性吸入β2刺激薬サルメテロール(商品名:セレベント)の配合剤。
Salmeterol*‥"is available in Canada, but not the USA, in a metered dose inhaler. It is a long-acting bronchodilator that takes 15-30 min. to reach effect but will last for 12 hours. This is not to be used in an acute attack but may be used in conjunction with daily corticosteroid."(気管支拡張剤:ベネトリン吸入液、サルタノールインヘラーの項目も参照のこと)。

※プレスリリース
【新薬】喘息治療薬 フルチカゾン/サルメテロール アドエア:相乗効果も期待できる喘息用配合剤日経メディカルオンライン2007.5.17記事・内科開業医のお勉強日記「COPDスプリーバ治療にセレベント、アドエアをadd-onする治療は有効か?」


 << 製造中止になったくすり >>

 ベコタイド Becotide®
成分名プロピオン酸ベクロメタゾン。
参照:気管支鏡検査により猫喘息と診断し、ステロイド吸入療法で管理した1例@城下幸仁・松田岳人(相模が丘動物病院)[web魚拓]。
薬剤は2004年発売中止(参照:プレスリリース)。


 アルデシン
成分名プロピオン酸ベクロメタゾン。2004年発売中止(参照:宮川医院・吸入ステロイド薬の治療効果)。




●気管支拡張剤

 ◆内服薬の場合

 ▶ β刺激薬

 ブリカニール錠

ブリカニール錠

成分名硫酸テルブタリン terbutaline。イソプレナリン系。β2受容体刺激薬。包装。出典:猫の喘息の診断と治療(獣医師用)では同剤の注射薬についても言及しています。Terbutaline**‥Selective (â2 agonist) bronchodilator 0.01 mg/kg IV, IM, SQ q4h 0.625-1.25 mg/cat PO BID." "Traditionally, therapy for non-infectious chronic bronchial disease in cats has relied on the use of oral anti-inflammatory agents (glucocorticoids) and/or bronchodilators such as the methylxanthenes (e.g. theophyline) or â2-agonists such as terbutaline‥""Traditional systemic therapy with corticosteroids and beta-agonists can be associated with significant side effects."


 BRETHINE*
成分名テルブタリン terbutaline。イソプレナリン系。‥Terbutaline Sulfate*‥"Used to treat the symptoms of asthma and other lung diseases. Relieves cough, wheezing, shortness of breath, and troubled breathing by increasing the flow of air through the bronchial tubes. Oral, injection and inhaled.Brand name: Brethine."



 ▶テオフィリン薬  ネオフィリン錠
 ネオフィリン錠
成分名アミノフィリン 。キサンチン系。Aminophylline* ‥"a bronchodilator related to Theophylline, available in tablet and injection."


 テオドール錠テオロングなど
成分名テオフィリンは日本ではあまり使われていない。Theophylline*‥"a bronchodilator drug." Theophylline**‥ (sustained release) Bronchodilator 20-25 mg/kg PO SID

猫の喘息の診断と治療(獣医師用)ではテオフィリンを利用可能と書いている。これは記述が時間の経過により不適となったのではないかと愚考している(未確認)。

※[孫引き注意]週刊V-magazine11月19日号より 
猫における徐放性テオフィリン製剤の薬物動態
Pharmacokinetics of an extended-release theophylline product in cats
J Am Vet Med Assoc. September 2007;231(6):900-6.
Christine L Guenther-Yenke, Brendan C McKiernan, Mark G Papich, Elizabeth Powell
目的:健康な猫における徐放性テオフィリン錠剤およびカプセル製剤の薬物動態を評価する
構成:無作為3方向クロスオーバー研究
動物:6頭の健康な猫
方法:アミノフィリン(10mg/kg、IV)、100mg徐放性テオフィリン1錠、125mg徐放性テオフィリン1カプセルを全ての猫に1回投与した。36時間の間、事前に設置したセントラルカテーテルから血漿サンプルを採集した。蛍光偏光モノクローナル免疫測定法を使用して分析するまでサンプルを凍結しておいた。
結果:全ての猫は副作用なく薬剤投与と血漿採取に許容した。両経口投与製剤投与から8-12時間で濃度がピークに達した。生物学的利用能は優良だった。血漿濃度はヒトの治療濃度5-20mug/ml内だった。
結論と臨床関連:健康な猫における、この研究で使用したテオフィリン錠及びカプセル製剤の毎日の投与は、それぞれ15mg/kg及び19mg/kgで、血漿濃度が望ましい治療範囲内に維持された。(Sato訳)
※参照:厚生労働省医薬食品局 1.小児気管支喘息におけるテオフィリン等の適正使用について @医薬品・医療機器等安全性情報Pharmaceuticals and Medical Devices Safety Information No.221[web魚拓



 ◆外用薬(吸入)の場合

※猫の喘息治療で吸入薬を利用する場合には猫用の吸入器Aerokatを利用します。[猫の喘息について:自宅でのエアゾール治療(AeroKat)]にまとめています。
※吸入β刺激薬の濫用による喘息死の注意があります(宮川医院・喘息死について)。


 ベネトリン吸入液、サルタノールインヘラー
成分名硫酸サルブタモール Salbutamol。β2受容体刺激薬(「旧来のβ刺激薬に比べ、心臓を刺激する作用が弱い」@お薬110番)。Salbutamol**‥"(albuterol, ‘Ventolin’) is the bronchodilator that has been most used via MDIs in cats."


 メプチン
成分名プロカテロール塩酸塩。短時間作用型β刺激剤。


 --セレベント
成分名サルメテロール キシナホ酸塩。長時間作動型β2刺激薬。

Salmeterol*‥"is available in Canada, but not the USA, in a metered dose inhaler. It is a long-acting bronchodilator that takes 15-30 min. to reach effect but will last for 12 hours. This is not to be used in an acute attack but may be used in conjunction with daily corticosteroid."

salmeterol**‥"‥there are no reports yet of the use of salmeterol in cats, although it is likely to be safe and beneficial. The disadvantage of salmeterol is that it can take up to 60 minutes to take effect, thus albuterol may still be required for control of acute signs."

いずれも下線は筆者による。(ステロイド剤:アドエアの項目も参照のこと)。参照:猫の喘息の診断と治療(獣医師用)・連載第13回「最も優れた併用薬はセレベント」日経メディカルオンライン2006年10月9日記事。
 

 ◆そのほかの外用薬

  ×ホクナリンテープ
作用持続型β刺激剤。成分名ツロブテロール。テープを湿布した皮膚から有効成分を吸収させます。人間と猫では皮膚からの成分吸収に違いがあるとされ獣医臨床段階ではまだ使われていない(はず)。



ツロブテロール2mg



 ◆注射薬の場合

 (△)エピネフリン液
「真に緊急の時、すなわち重度の発作時には使用を考慮する」(猫の喘息の診断と治療(獣医師用))。Epinephrine*‥"used to treat severe allergic reactions because it can prevent or minimize the effects of histamine. It is also used in emergency situations to help in severe asthmatic attacks to dilate the bronchial tubes." Epinephrine (adrenaline) Bronchodilator**‥"mixed adrenergic 0.1 ml of 1:1,000 dilution IV, IM, SQ, via ET tube Acute emergency Rx".





去痰薬

 ムコソルバン
成分名塩酸ブロムヘキシンの代謝産物製剤〔塩酸アンブロキソール〕。


 ビソルボン
成分名塩酸ブロムヘキシン製剤〔塩酸ブロムヘキシン〕。出典:城下幸仁「猫の気管支喘息をどうコントロールするか:猫の気管支喘息と診断した3例」[web魚拓
 

ムコダイン
システイン誘導去痰薬。成分名カルボシステイン。

※人間の場合「本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者」は使用禁忌となりました(2008-01-10)(出典:おくすり110番)。




抗アレルギー薬

▶抗ロイコトリエン薬(ロイコトリエン受容体拮抗剤)

 *Antileukotrienes‥"Reports from feline asthma caregivers are mixed on this class of drugs, which includes Accolate® and Singulair®. This is an active area of study by clinicians, so it may be worth discussing with your vet or searching a veterinary library to find original abstracts." →See here

 **Leukotreine Receptors‥This class of drugs include Zafirlukast: Accolate® and Montelukast: Singulair®. A very few patients are using these drugs however; studies would suggest they have not been shown to have a widespread use in feline asthma and more trials and data are needed.
 The drug was being used by some specialists at a University veterinary hospital in the UK with reported success at doses of 5mg twice daily. The drug has a reputation of being tough on the liver so initial treatment needs to be monitored very carefully and any changes in behaviour whatsoever should be assessed by a vet. Some cats are unable to tolerate these doses and in those cases, it may be worthwhile to experiment with lower doses. Some animals were able to get away with as little as 2.5mg every other day.→See here

(ロイコトリエン受容体[拮抗薬]…この類の薬にはザフィルルカスト(アコレート®)とモンテルカスト(シングレア®)がある。ごく少数の患者がこの薬物を使っているが、ネコ喘息において公に使用を勧めようとする報告はなく、さらに多くの試験データを必要とされる。
 イギリスの獣医科大学病院で専門医の何人かは5mgを1日2回[投与]で成功を収めたと報告している。肝臓への負担が取りざたされているので、初期治療では非常に注意深い監視を必要とし、いかなる挙動の変化も獣医の評価を受けるようにする。ネコによってはこの薬に対して耐性がないので、そのような場合には低用量を試してみるのが良いかもしれない。2.5mgの隔日投与というわずかな量でうまくいったネコもいる。)a-Vetさん訳。[ ]は筆者による補足。up!



 ( - )オノン
成分名プランルカスト水和物カプセル。開業獣医による臨床段階では不採用。大学病院での採用はあり(ただしステロイド剤を休止できるほどの効果はない、とのこと)。


  シングレア Singulair®
成分名モンテルカスト。錠剤、小児用の細粒(2007年10月2日発売@万有製薬)あり。


 キプレス細粒
成分名モンテルカスト。2007年10月2日発売(杏林製薬)。飲み方画像]@人間。


 アコレート Accolate® 成分名ザフィルルカスト。
Zafirlukast**‥Leukotriene receptor antagonist 10 mg/cat PO BID.
※more info.→See, Message #5654,#17511,#17532 @ felineasthma_inhaledmeds ; FAIM Group for Felines, Caregivers, Vets
→★[アコレート錠20mg/アコレート錠40mgの添付文書


<<似た作用で開発中のくすり>>

 MN-001メディシノバ


▶クロモン類 
 インタール
成分名クロモグリク酸ナトリウム。点眼、錠剤、吸入などがある。



▶ムスカリン受容体拮抗薬(抗コリン薬)

※抗コリン薬は眼圧を上昇させる作用があるため緑内障のあるときは禁忌薬となります(出典:緑内障における禁忌薬おくすり110番)。

 ×臭化イプラトロピウム ipratroprium(成分名)Atrovent (商品名)
吸入薬。(おくすり110番:【薬理】副交感神経を亢進させるアセチルコリンという物質をおさえます。副交感神経の働きが弱まると、気管平滑筋がゆるみ、気管支が広がります。)

猫の場合、気管収縮のmediatorは重要ではないので、猫の喘息治療にはこの薬を使いません。"It is not an important mediator of airway contraction
in cats, that is why we dont use this drug for asthma in this species" -Albuterol vs Atrovent posted by Phil Padrid at Message #21325 of 22990 Wed Mar 19, 2008 10:03 pm @Yahoo! Groups, felineasthma_inhaledmeds


 臭化オキシトロピウム(成分名)
同上」。



▶抗ヒスタミン薬

 :**‥ペリアクチン Periactin®(成分名)シプロヘプタジン(セロトニン阻害剤)
Cyproheptadine Serotonin antagonist**‥"the antihistamine portion of Cyproheptadine is not the useful portion for asthmatic cats. It is the anti-serotonin portion that helps. Serotonin is involved in feline asthma, but histamine is not, the standard dose for the asthmatic cat is 2mg twice daily however, many owners report their cats are extremely spaced out on this dose and should this hyper-sensitive reaction occur, it is worth trying the drug at a half or quarter of this dose, before deciding to discontinue. "

※ペリアクチンは人間の場合「気管支喘息の急性発作時の患者〔抗コリン作用により、喀痰の粘稠化・去痰困難を起こすことがあり、喘息を悪化させるおそれがある。〕」として禁忌薬になっています(出典:喘息における禁忌薬おくすり110番)。
→★[ペリアクチン錠4mg/ペリアクチン散1%の添付文書][ペリアクチンシロップ0.04%の添付文書





●そのほかの薬

 ‥シクロスポリン
 →★詳細:猫にシクロスポリン携帯]にまとめています。


 デキストロメトルファン(成分名)
Dextromethorphan*‥"used to suppress coughing in cases of tracheal or bronchial irritation. It is a temporary measure to alleviate coughing and is less effective than morphine-related drugs." 鎮咳剤。非麻薬性鎮咳剤。


 ‥フロセミド(成分名)の吸入。ループ利尿薬。
Furosemide*‥"used to reduce fluid accumulation and prevent further pulmonary edema from forming."





[参考になるページ]引用したサイトも含む

@人間用:

メルクマニュアル家庭版‥喘息の動態、使用薬が分かりやすく書かれています。
アレルギー情報センター厚生労働省
‥・ガイドライン「EBMに基づいた喘息治療ガイドライン」
 ・薬剤情報 > 喘息の薬:1. ステロイド薬、2. β刺激薬、3. テオフィリン薬、4. 抗アレルギー薬、5. 漢方薬、6. 去痰薬
‥うちのちびこは免疫介在性多発性関節炎も併発していますのでリウマチ情報センターの資料も参考にさせていただいています。
喘息における禁忌薬おくすり110番
吸入薬(MDI)についてこどもと喘息西藤こどもクリニック
喘息FAQ < 喘息を克服するためのページ(喘息患者の会『わかば会』運営。主催:清水医師(石川県金沢市・城北病院))
よくある質問戸高内科・呼吸器科 (福岡県福岡市西区)‥掲示板での真摯なご対応と情報提供から学ぶことがとても多いです。

@猫用:

●日本語
・城下幸仁「猫の気管支喘息をどうコントロールするか:猫の気管支喘息と診断した3例」(抄録・スライドパネルディスカッション)@第28回動物臨床医学会年次大会(2006)[web魚拓
猫の喘息の診断と治療(獣医師用)
・増田健一(当時:東京大学大学院農学生命科学研究科獣医内科学研究室[助手])「ネコ喘息へのアプローチ」(2003年3月)。

●英語
Feline Asthma with Fritz the Brave
緊急時のケア自宅でのケアケアのコツ吸入治療一般的な(通常の)治療(内服・吸入以外の外用薬・注射・ネブライザーなど)・その他の治療(抗ヒスタミン剤・抗ロイコトリエン薬・非ステロイド剤<ペリアクチンなど>・免疫調整・ホリスティックケアなど)。

Feline Asthma
吸入治療(エアゾール・酸素吸入・ネブライザー・鍼 acupuncture)などの治療方法(内服・吸入・抗ロイコトリエン薬・抗ヒスタミン薬・ホリスティックケアなど)・発作を誘発する物(トイレの砂・煙・家庭用雑貨:液体漂白剤や各種の洗剤・柔軟剤、香水などなど)・関連する疾患(上部気道炎・下部気道炎・肺癌・心筋症・リンパ球プラズマ細胞性口内炎・糖尿病)

felineasthma_inhaledmeds ; FAIM Group for Felines, Caregivers, Vets
上記ふたつのサイトで有益とされているyahoo!groupのメーリングリスト。過去ログ検索も可能。Dr.PadridFamily Pet Animal Hospital)の投稿もあります(抗ヒスタミン薬<ペリアクチンを除く>、抗ロイコトリエン薬、去痰薬をご自身が処方されない理由についても書かれています)。購読するにはyahoo!USAに登録することが必要。登録後はRead onlyも可。

the Merck Veterinary Manual
Pharmacology : Systemic Pharmacotherapeutics of the Respiratory System(呼吸器疾患に使われる薬剤についての知識を得ることができます)、Inhalation Therapy of Airway Disease: Overview(吸入治療について)など。マニュアル内の単語・記事検索が可能なので横断的な知識を得るのに便利です。各記事では末文にマニュアル内の関連記述についてリンクがあります。


[注釈]

*1 Philip Padrid 著者代表、藤田道郎訳『呼吸器疾患の内科治療と外科治療』(学窓社、2002年06月)ISBN:4873624428 JAN:9784873624426 があります。同書はJBookyahoo!Booksセブンアンドワイで購入可能です。図書館@日本の所蔵は限られており国立国会図書館の所蔵はありません(2008-01-12現在)。原著 "The Veterinary Clinics of North America, Small Animal Practice: Respiratory Medicine and Surgery, Volume 30, Issue 6 (November 2000)"はamazon.comのマーケットプレイスでの購入が可能です(同上)。

同書の著者代表である Dr.Padrid による Aerokatに関するプロトコルは本文@外用薬 吸入の場合に上述しています:Dr. Philip Padrid, RN, DVM, "Feline Asthma, Treatment Guidelines for Using Inhaled Medication,Flovent™ (fluticasone propionate) and albuterol metered dose inhalers with the AeroKat™ Feline Aerosol Chamber",2004.[PDF]@ Feline Asthima with Fritz the Brave(英語)。

前田貞俊(監修:前田貞俊、水野拓也、増田健一)「■小動物アレルギー性疾患の基礎と臨床~病態に基づいた診断と治療の実践を目指す~第22回 猫の気管支喘息の病態、診断および治療 」月刊CAP 2008年6月号(株式会社緑書房発行)もあります。

翻訳本『犬と猫の呼吸器疾患』も詳しく分かりやすいです[携帯版]。
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腎不全治療の新薬(ネコHGF注射)

●はじめに

これまで大病もなく比較的健康に過ごしているように見える猫さんでも、高齢になると腎不全状態になっていることがあります。血液検査および尿検査、場合によってはエコー等が診断の根拠として用いられています。

●猫の慢性腎不全状態とは?

・猫さんの体重が徐々にあるいは急激に減ります
・栄養が行き渡らず皮膚の艶がなくなります
・栄養不足から難治性の口内炎が生じることがあります。
食欲が低下嘔吐をすることもあります。
水を多量に飲むものの脱水が生じます。
・無色透明でほとんど匂わない尿を多量にします。
トイレを失敗することもあります。
嗜眠傾向も強くなりほとんどの時間を眠って過ごします。

人間の腎不全と同様に猫の腎不全も進行性で不全状態が治ることはありません。しかしその進行を緩やかにするための対症療法が行われています。

●治療法は?

猫の腎不全でおこなわれている対症療法のうち、比較的初期の腎不全の場合には活性炭投与腎疾患に配慮された療法食を中心とする食事療法が、中期に進むと皮下への輸液療法が、重度になると静脈への輸液療法が一般的プロトコルとなっています。

腎性貧血の緩和としてエリスロポエチン注射や輸血療法が、高血圧対策として強心薬や降圧剤、ACE阻害剤の投与があります。透析療法として腹膜透析血液透析*1を実施しているところもあります。稀に腎移植も実施されています(とりわけ於アメリカ合衆国。参照:Feline Renal Transplant Programweb魚拓]@Ryan HospitalSchool of Veterinary Medicine, Universeity of Pennsylvaniaup!Feline Kidney Transplants)。


●腎移植の困難と新薬の開発

人間の腎不全の治療の場合と異なり、猫の場合は腎不全の原因疾患を厳格につきとめて治療することはほとんどありません。尿毒が急激に進むと実効性のある療法が少なくなります。また猫だけでなく人間の腎不全治療でも腎移植にはさまざまな困難が伴っています。詳細は少ない臓器提供 < 腎不全と透析療法@腎移植Q&A(トランスプラント・コミュニケーション)をご参照ください。

そこで肝細胞増殖因子 HGF(hepatocyte growth factor)を使った新薬開発が始まっており、その対象にまずネコの慢性腎不全が選ばれています。

全薬工業株式会社クリングルファーマ株式会社のプレスリリース[PDF][html](2005年4月6日)によると*2

プレスリリース


●新薬開発の進捗状況

NEDO(技術開発機構)の公募により採用されたプロジェクト名:バイオプロセス実用化開発(18年度終了プロジェクト;プロジェクトコード:P04014)として採用・終了しています。「バイオプロセス実用化開発」(事後評価)分科会にて資料が順次公開されていくものと思われます。
 ↓↓↓↓↓
現時点(2007.11.6)では第1回「バイオプロセス実用化開発」(事後評価)分科会(平成19年7月27日)の資料のみ公開されています。こちらでは配付資料のダウンロード可能です。ただしプロジェクトの詳細については非公開となっており議事録にも記載はありません(ので読むことはできません)。

以下は資料5-2の関連事項のみ画像を抜粋したものです。

これらによると「現在はネコHGF注射用サンプルを用いて動物用医薬品の開発試験を実施中。」であり「2010年に動物用医薬品としての承認取得、2011年発売」を「目処に実用化する予定」とのことです。

表紙
管理体制
各社の事後評価

全薬工業1枚目
全薬工業2枚目


*2007.11.6現在での公開資料は第1回のみです。タンジェリン色の下線は筆者によります(以下も同様)。



[追加情報] 2009-01-24 up!

@NEDO
 ・バイオプロセス実用化開発(18年度終了プロジェクト)
  (page sourceのdateは2008-08-18)
  >「実施方針:平成18年度」[PDF

↓ 該当部分(10頁)抜粋 ↓
HGF進捗

画像拡大



@特許申請状況  c.f. 特許権を取るための手続@特許庁

 ・特許出願公開情報web魚拓
  ‥特許出願日:平成19年2月9日(2007.2.9)
   公 開 日:平成20年8月28日(2008.8.28)


[現時点での猫の慢性腎不全治療について参考になるページ]

●人間について
 ・腎不全 治療法ガイドライン
 ・高血圧と腎臓病@札幌厚生病院循環器科


●猫について@日本語
 ・猫の慢性腎不全―FELINE CHRONIC RENAL FAILURE(患者用)
 ・猫の慢性腎不全―FELINE CHRONIC RENAL FAILURE(獣医師用)
 ・意外に多い(?)猫の腎性高血圧症について


●猫について@英語から日本語への翻訳 
 ・定期購読雑誌Veterinary Focus--世界の小動物臨床サンプルPDF(WALTHAM Focus Vol.12 No.2 (2002))(マスターフーズリミテッド提供)

*獣医師向け。日本語。カラー印刷。画像も豊富で分かりやすい。
*各分野の第一人者による執筆なので患者が腎疾患のプロトコルを知るのに役立ちます。

・「高齢の猫の慢性腎不全」p4-9.Jonathan Elliott MA, Vet MB, PhD, Cert SAC, DipECVPT, MRCVS., Royal Veterinary College, London, UK
・「猫と犬における腎機能の評価」p10-14 Dr. Markus Haller Dr. Med. Vet., Dipl ECVIM-CA.,Kleintierpraxis HallMa, Oberdorfstrasse 4, Boniswil, CH-5706, Switzerland
・「犬のタンパク尿:タンパク尿の測と解釈法 何故それが重要か?」p15-20 Gregory F. Grauer DVM, MS, DipACVIM (Internal Medicine) Department of Clinical Sciences, College of Veterinary Medicine, Kansas State University, Manhattan, Kansas, USA. c.f.@THE WSAVA 2002 CONGRESS
・「WSAVA最新情報 猫の高カルシウム血症」p21-23 Dennis J. Chew DVM, DipACVIM.,Ohio State University, Colombus, Ohio, USA
・「ウォルサム切り抜き保存用ガイド 尿検査の手引き」p24-25 Gregory F. Grauer DVM, MS, DipACVIM (Internal Medicine)
・「WALTHAM Viewpoint 慢性腎不全の猫の管理-個々の猫の必要に応じて…」p26-27 Jonathan Elliott MA, Vet MB, PhD
・「慢性腎機能障害を伴う高血圧症の猫」p28-33 Scott A. Brown VMD, PhD DipACVIM.,Departments of Physiology-Pharmacology and Small Animal Medicine, College of Veterinary Medicine, University of Georgia, Athens, GA 30602, USA


●猫について@英語
 ・Feline Renal Transplant Programweb魚拓up!
 @Ryan HospitalSchool of Veterinary Medicine, Universeity of Pennsylvania
 ‥腎移植について。最高齢18歳の猫への実施例あり(Recipient selection--the oldest cat that has been transplanted was 18 years of age.)。移植後最長8年間生存[テキスト公開時点](Success rate of feline kidney transplantation at Penn Vet--Our longest survivor to date (5/5/2006) lived for eight years following his transplant.)。

 ・Tests and Diagnostics‥諸検査と診断について
 ・Management of CRF‥獣医さんとのコミュニケーション、自宅での輸液療法等について
 ・Medications ‥治療方法について


[注釈]

*1 「猫 血液透析」で googleで検索してみると川崎市の動物病院伊勢原市の動物病院富山県の動物病院にて機械の画像を見ることができます。血液透析については猫さんへの実施(機械の稼働率)がそれほど高くありません。そこで実施される獣医さんの技量が大きく問われます。ご自身が受診する際は獣医さんに猫さんへの実施率や実施件数とその予後についておたずねになること、副作用(脳浮腫)などについて詳しくお聞きになることが肝要です。関西ではネオ・ベッツVRセンターに血液透析の機械があるそうです。なお血液透析には全身麻酔が必要です。

*2 このほか最新情報-掲載記事-ニュースリリースもあります。

※[猫が慢性腎不全と診断されたら]もまとめています。[携帯版


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relax & relief

ひだまりのなかで気持ちよさそうに眠る「ちびこ」さん。

輸液中のちび


しかし、その背中には‥。

輸液中のちびの背中


翼状針が★





●「ちびこ」と皮下輸液療法

ちびこさんは自宅での皮下輸液療法を数ヶ月しています。多発性関節炎のために高容量のステロイド剤を内服していますので、同剤の利尿作用からの脱水を緩和することが大きな目的です。同剤の副作用としての糖尿病*1腎不全の予防も副次的効果として期待しています。施術は最初のころは毎日1回、現在は2日に1回です。

施術中はいつも眠って過ごします。特に抵抗することはなくハイハイ‥って感じでしょうか。


●うちの猫たち in 動物病院

どの動物病院の待合室&診察室でも驚かれることが多いのですが‥ちびこを含め、うちの猫さんたちは模範的に落ち着いております。

歴代の猫さんのなかには慢性病で動物病院に足繁く通っていた猫さんもいます。そのような猫さんの場合は小さなころから病院に通っているので、動物病院がどういうところか、住む場所や行く先の動物病院が変わってもよく分かっています。そのため入院のときも(人間以上に)落ち着いたものです。

そのほかの猫さんたちで面白い対応をするのはちび、フク、かにゃくんです。

ちびこは観察好き。先生(担当の獣医さん)からの指示を私以上にしっかりと聞いているかのように先生をまんまるお目々で凝視(^_^; 見逃すことは何もないようです。フクんこはマイペースで物怖じしない性格。診察台のうえでは喜びの「くねくね」踊り(恥)。かにゃくんは人間大好き!  私から離れた所でしていただいた血液採取のときも「なになに?」って顔をして浮かれてました(汗)。


●皮下輸液療法と猫たち

わりと腰の据わった猫さんたちばかりなのでしょう。必要に応じて獣医さんの診断&処方のもと施術している自宅での皮下輸液も(私自身は6~7年前からしており最初から)どの猫さんたちもrelaxして受けてくれています。

なかには前日入れた輸液を吸収しおえたくらいにいつもの輸液場所に寝そべって「nya!」と声をかけて輸液作業を必ずうながしてくれる猫さん(ジェジェ)もいます。賢い猫さんは忘れっぽい私には助かります('_'*)。輸液の時間管理は彼女自身にお任せです。


★猫の輸液療法について注意すべき点は猫の輸液療法携帯]にまとめています★

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[memo]アレルギー検査

猫さんの皮膚に外傷ではなくアレルギーに由来する異状な状態が現れたときにはまず最初に血液検査で白血球のうち好酸球(EOS)の割合を計るのが獣医さんの一般的な手法です。EOSの割合が高値であればあるほどアレルギー反応がでていると診断されます。

しかし猫さんが「何に」対して「どの程度」アレルギー反応を起こしているのかを正確に調べるための容易な手法はなく検査も困難な状況です。

そこで炎症を抑える対症療法としてのステロイド剤の利用(ステロイド剤で副作用がでた場合はシクロスポリン(商品名:アトピカ)の内服や炎症部分の細菌感染を治癒するための抗生物質の投与により症状を抑える、このような対症療法が猫さんのアレルギー疾患の対処法として行われています。抗アレルギー薬や抗ヒスタミン剤の投与や注射もなされています。

→☆参照:猫とステロイド携帯版
     猫にシクロスポリン携帯版
     猫と抗生物質携帯版


もっとも原因治療が望ましいことはいうまでもありません。

そこで猫さんの暮らしている「環境」や猫さんが口のなかに入れる「食べ物」をひとつひとつあたっていくという地道な作業もなされています。

試みることが多いものの改善がなかなかみられないときには猫さんも一緒に暮らしている人間も辛い状態だと思います。猫さんにあった改善策を見つけることができるように‥と心から祈念しています。


[参考になるページ]

●" Unorthodox Techniques for the Diagnosis and Treatment of Allergy, Asthma and Immune Disorders " @ascia:the Australasian Society of Clinical Immunology and Allergy(英文)New!
 経由:食品安全情報blog「アレルギー、喘息、免疫疾患の異端診断や治療」 (要約あり)

どうぶつの皮膚病田中ペットクリニック
 ・最近、ネコのアレルギー性皮膚炎が多くなっていますweb魚拓
 ・アレルギーの診断手順についてweb魚拓
 ・療法食についてweb魚拓
 ・猫の除外食試験についてweb魚拓
 ・除去食試験および誘発試験をやってみませんか?web魚拓
 ・アレルギー検査機関について web魚拓
 ・侵襲性の高いスクリーニング検査web魚拓] など‥

動物アレルギー検査株式会社理研ベンチャー)略称AACL *1

既存の検査方法とは異なる新しい診断を提供する会社として設立されています(2007年4月)。

会社案内
 ‥概況ご挨拶*2当社の理念研究開発状況所在地・アクセス
アレルギー診療の進め方
既存の検査の限界
アレルギー検査内容
検査項目
  (1)アレルゲン特異的 IgE 検査:「アレルギーを獲得した証拠となるアレルゲン特異的IgE抗体の血中濃度を定量測定」。「治療効果のモニタリングが可能」。

 (2)リンパ球反応検査:「食物蛋白に対するリンパ球の反応を検出」。「IgE検査ではわからないリンパ球(ヘルパーT細胞)を介した過敏反応の有無を調べます。」「原因食物抗原の同定補助として有効なツールのひとつ」。

 (3)アレルギー強度検査:「アトピー性皮膚炎の病態に関わるTリンパ球サブタイプを検出」。「血中に出現したCCR4陽性Tリンパ球をフローサイトメトリーで検出することによって、アレルギーに関わる細胞の有無を判定」。「アレルギーの有無だけを知りたい場合に有効」「最適」。「治療効果の推移をモニターできる」。


[注釈]

*1 AACLでは臨床獣医さん向けのセミナーを行っていらっしゃるようです。「AACLセミナー」で検索すると2007.10.18に第1回「小動物アレルギー性疾患の基礎と臨床」(於・東京)が行われています。
 また最初は犬の検査から始まるようです。猫への応用を心待ちにしています。
 →★猫の検査も犬の検査と同じように依頼して同じ方法で「できなくはない」そうです(私がかかりつけの獣医さんからお聞きして戴いたお返事です。ご関心のある方はかかりつけの獣医さんに可否をおたずねしてみてくださいませ)。


*2 AACL代表取締役の増田健一獣医師にうちのアレルギー疾患(好酸球性肉芽腫群)の猫さんの治療をしていただいたことがあります@東大家畜病院。

開業獣医さんでの病状&ステロイドコントロールがうまくいかないために肉球の膨脹や全身および口腔内の皮膚の病変が進行し押しとどめることができず紹介のうえ受診携帯版]しました(この猫さんは一部の抗生物質にもアレルギー反応を示しました)。

増田先生のもとでの治療開始によって病状はすみやかに改善しました。まったく同一の薬剤(プレドニン)を使っていても投薬方法(分量や期間の調整)でこうまでも違うものかと率直に驚きを述べたときに先生が優しく微笑まれていたのをよく憶えています。

その後、別疾患に罹患して重篤な状態にあった別猫を担当していただいていた先生(増田先生の指導教官)に受診時間等のかねあいから2猫さんをまとめてみて戴くことになり増田先生のご担当からははずれました。

アレルギー猫さんは1年4ヶ月後には寛解して東大病院を「卒業」しました。大きな肉芽腫の再発はなく、猫さんは穏やかな日々を過ごしてから旅立ちました。「卒業」からは約4年が経過しており、あと1ヶ月たてば18歳の誕生日を迎えるところでした。

ステロイド剤の内容と使いかた、減薬コントロールや最低用量での疾患コントロールの方法をこの時期に(上記にお名前をあげてはいない有能な諸先生を含めて)複数の先生から丁寧にレクチャーしていただきました。

このほかにも「自分でできることは自分でする」--輸液療法や自宅療法について、「猫さんの生きる力を支えるための手助けが獣医療」--過剰医療の陥穽に気をつける、という考え方も教えていただきました。

多忙な先生がたの貴重なお時間をいただいたことをとても有り難く思っています。その後、猫さんが自宅でのケアを中心にして最期まで過ごすことができたのも諸先生方のお心遣いのお陰です。心から感謝申し上げます。

かごのなかの歳三



※[memo]は筆者の備忘録としての記事です。

※はじめてこのblogにいらした方は[はじめに携帯版]をご覧ください。
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猫の皮下輸液療法@自宅


ソルラクト
--できる限り無菌状態で安全に行うために--
*ソルラクト500mlのパッケージが変わりました[image][添付文書


●はじめに

私自身は6~7年前から猫さんに自宅での皮下輸液療法を行っています(皮下点滴、皮下補液も皮下輸液と同じ内容の療法です)。複数の動物病院で処方していただいていますので各獣医さんからご教示いただいたことを念頭におき特に大切だと思われることを写真を利用して図解を添えてまとめてみました。(c.f. 皮下注射を用いた維持輸液@人間の場合 < レジデント初期研修用資料

獣医さんがご用意されている「飼い主自身で行う皮下輸液の方法(輸液セット-タコ管付き)」を印刷して手元においておき繰り返し読むと便利&安心です。自宅での輸液療法ってなに?という方は「犬や猫の輸液療法について」@PEPPYにも目を通しておくと分かりやすいです。

猫さんの痩躯が激しく皮下脂肪が少ないときのtipsは、清水邦一・清水宏子@清水動物病院「皮下輸液を快適に(Ⅲ)」NJK2008年9月号PDF]に図解入りで書かれています。←…リンク切れ。NJK バックナンバー2008年9月号 up!

処方された獣医さんのご説明に分かりにくいところがあったり不安に思ったりすることがあればできればその場で、後から疑問に思った場合は次回受診の際や診察時間内に獣医さんに直接おたずねになって輸液療法に対するご自身の理解を深めることが必要です。獣医さんに輸液のお手本を何度か見せて戴いたり、ご自身の手順を見て戴いたりすることも大切なことです。

どうしても自宅では難しいと思われる場合にはご無理をせずに獣医さんでの輸液にお任せするという決断も重要です。その場合でも輸液療法を獣医さんでしていただいた後に「□ その後の猫さんの状態もしっかり観察します」の箇所(このページの一番下部分です)は該当しますのでお時間許せばご参照くださいませ。

→★参照:輸液パックの薬価や処方料についてはくすりの値段携帯] をどうぞ。 up!




★★ 重要事項 ★★

猫さんの体内に異物を入れるのが輸液療法です。
滅菌済みの医療器具を使ってできる限り無菌的に行う必要があります。

輸液後に猫さんが輸液溜まり付近に痛みを感じさせる行動をした場合には、輸液療法を通じて細菌に感染した可能性が高いと考えられます。

自身の作業手順を見直すとともに輸液療法を処方してくださった獣医さんに相談をする必要があります。とくに細菌への抵抗力が低下した老猫さんや、高用量のステロイド剤を利用しているために免疫力の低下した猫さん、FIVなどのウィルス疾患により免疫が不全状態にある猫さんの場合には、できるだけすみやかにかかりつけの獣医さんにご連絡することが必要です。

輸液量が多いか少ないかは処方された獣医さんの想定した時間内に輸液を猫さんの身体が吸収できているかどうかを目安にします。輸液後にどの程度の時間で吸収されたかを記録しておき、身体に浮腫み(むくみ)ができていないかを猫さんの身体を触って調べます。通常よりも吸収時間が遅い場合や浮腫み(むくみ)ができている場合は猫さんの体調に変化がある兆しですのでできるだけすみやかにかかりつけの獣医さんにご連絡することが必要です。




●猫さんの皮下輸液療法

1.輸液パックに輸液ラインをつなぎ、その先の針を翼状針をつけかえてから猫さんの体内に輸液を点滴する方法(=皮下点滴)と、

2.輸液パックにシリンジの先につけた針を刺して輸液を吸い取ることによって移し替えて、シリンジの針を翼状針につけかえてから猫さんの体内に輸液を注射する方法(=皮下注射)などがあります。

1は輸液パックから輸液の滴(しずく)を垂らす方法でゆっくりと皮下に輸液を入れていきます。2は一定の輸液量を予めシリンジに入れておきシリンジに刺した針を猫さんの体内にいれてシリンジのポンプを押すことにより急速に皮下に輸液を入れていきます。

いずれの方法も皮下に輸液を入れるという点で共通しています。

両者の違いは、輸液を入れる際にかかる時間1の皮下点滴は時間がかかり、2の皮下注射は猫さんの拘束時間が短い)や費用2のシリンジは使い捨てなので1度に1~2本使うと費用が高額になる)、輸液量の体得2のシリンジを使うと正確な数値が分かり輸液溜まりを触ることにより患者自身が輸液量を体得しやすい)にあります。皮下輸液の吸収の違いは12かという方法の違いよりも、後述するように猫さんの体調によるところが大きいです。

今回はまず1の皮下点滴の方法について注意事項などをまとめていきます。


●獣医さんから処方された道具を用意します

輸液セット

※輸液パックは250ml、500ml、1000mlなどがあります(画像はソルラクトです。500mlのパッケージは2007年9月より変わりました[image][添付文書][医薬品情報])。細菌感染を防止する観点から多くてもおおむね5回以内で1パックを使い切るくらいの分量を選択することが望ましいです。

輸液ラインは輸液パックと翼状針をつなぐのに使います。ラインを使うことによりできるだけ高い位置に輸液パックをぶらさげて滴(しずく)の落ちる速度を早くして点滴時間を短縮することもできます。いったん輸液パックと接続したら輸液ラインを絶対に外しません。輸液パックが空になったら別々にして廃棄します。別の輸液パックに輸液ラインを使い回すことは細菌感染防止の観点から絶対にしません

↓ 現行の輸液ライン ↓  up!
新しい輸液ライン


翼状針は細菌感染防止のため使い捨てにします。一度猫さんの体内に刺したものは2度と使いません。猫さんの体内から翼状針を抜いたらすみやかに翼状針の付属部分であるラインを結び細菌が入り込まないようにして保管に備えます。




●輸液パックを猫肌に暖めます

猫肌あたため

※写真は新品の輸液パックを利用したものです。同じ輸液パックを2回以上使うときは保管した状態(=ジップロックなどに輸液パック+輸液ライン+翼状針のセットを入れたままの状態)で保温します。

※季節や輸液のなかみによっては猫肌に暖める必要があるかどうかをかかりつけの獣医さんに確認したうえでなさるほうが安心です。

※猫肌に暖めるのは輸液という異物を身体のなかにいれる瞬間に違和感をできるだけ感じさせないためです。数時間以上をかけて血管のなかに輸液を徐々に入れ身体になじませていく静脈点滴と異なり、皮下輸液は輸液を数十分以下の短い時間で体内に入れることですから「身体の冷え」にもつながる可能性があります。

※翼状針を輸液ラインにセットしたあとで輸液を翼状針の先端部分まで通して輸液の温度が猫肌程度かどうかを自身の指先をつかって必ず確認します。熱すぎる場合は輸液という異物をとりこまされる猫さんに危険ですから絶対に輸液しません。しばらく時間をおいてから再度温度を確認してから輸液します。

※暖めるのにかかる時間は輸液パックに入っている輸液量によって異なります。未開封の場合は時間がややかかります。輸液量が半分以下になると短縮されますので暖めすぎにご注意ください。




●輸液パックに輸液ラインと翼状針をつけて輸液の準備をします

□ 輸液パックと輸液ラインをセットします

輸液ラインをセット


□ 輸液パックに輸液ラインをつなげます


輸液ラインにつなぐ旧ソルラクト

輸液ラインにつなぐ 新ソルラクト


※輸液ラインには上下ともに針がついています。プラスチック製の白色の針のほうを輸液パックをさすのに使います。金属製の針はあとで翼状針につけかえます。

ラインに輸液を通す


□ 輸液ラインの先を翼状針につけかえます

翼状針につけかえる

※輸液を翼状針の先端まで通したときには輸液の温度を必ず自身の指先を使って猫肌かどうかを確認します。熱すぎる場合は輸液という異物をとりこまされる猫さんに危険ですから絶対に輸液しません。しばらく時間をおいてから再度温度を確認してから輸液します。

※猫肌に暖めるのは輸液という異物を身体のなかにいれる瞬間に違和感をできるだけ感じさせないためです。数時間以上をかけて血管のなかに輸液を徐々に入れ身体になじませていく静脈点滴と異なり、皮下輸液は輸液を数十分以下の短い時間で体内に入れることですから「身体の冷え」にもつながる可能性があります。




● 輸液パックの分量を量ります(輸液パックを数回利用する場合のみ)

重さを量る旧パッケージ 重さを量る新パッケージ
 
※輸液パックはパックに記載されている目盛りがあてになりません(体得の仕方は後述「★★輸液量の体得方法★★」にまとめています)。シリンジを使っての皮下注射ほど正確に輸液を入れるには感覚で覚える必要があります。

※輸液を始めるまえの分量から輸液をし終えたあとの分量を差し引くことで、猫さんの体内に入った輸液の量を把握することができます。




●猫さんを準備して輸液を開始します

輸液パックをS字フックなどを利用して高い所にかけておき、輸液パックに接続した輸液ライン+翼状針が少しゆとりをもって下にいる猫さんに届く程度にします。ゆとりが足りないと感じられる場合には下記のようにS字フックを連結させるなどしてゆとりを持たせるようにします。

S字フック


猫さんを用意したあと針を刺すまえに自身の手指を消毒しておくと安心です(ラビネットなどで手指に消毒液を噴射して手を揉み、数分待ちます)。猫さんの皮膚にいる常在菌よりも猫さんの身体には害となる人間の手指にいる常在菌が猫さんの皮下組織に入りこむことを防ぎます

★輸液のときに暴れる猫さんなどの場合はrelaxしているとき(=眠りかけているとき)などに優しく話しかけながらその場所で輸液をするとよいかもしれません。日頃から猫さんの眠る場所を清潔にしておけば輸液ラインをセットするときに細菌が入り込まないようにしていますから輸液場所にこだわる必要はそれほどありません。輸液のまえに「ちやほや」されて終わったあとには「ご褒美」をもらえるという習慣輸液後には身体が楽になるという感覚を理解できれば、輸液に対する拒否感が減ってきます。relaxしていない時間でも呼べば来るように‥なるかもしれません。

※モデル:ジェジェ(もうすぐ20歳♀)‥輸液だよ~と呼ぶと喜んで来る猫さん。
猫さんに針を刺す

※針先は下記画像のように針の断面部分が上にくるようにします。針先の長い面が下で短い面が上です。飼い主自身で行う皮下輸液の方法(輸液セット-タコ管付き)のまんなか辺りにある画像:「刺す部分が上を向いています」が分かりやすいです。

翼状針の先端

写真の翼状針の太さは21Gです。インシュリン注射に使われる注射針一体型のシリンジについている針の太さ(27G)に比べると太く感じられると思います。しかし刺しかたは同じですので安心して取り組まれてくださいね。
注射器の太さ比べ


※翼状針を刺すまえに猫さんの皮膚の消毒をする場合は三角形をつくったあとに針を刺す辺(へん)にあたる部分を軽く拭きます。針をさす目標が分かりやすくなり便利です。

※翼状針を刺す場所は肩胛骨(けんこうこつ)の少しした周辺部分です。猫さんが痛みが感じにくい場所でかつ輸液の吸収が比較的すみやかになされると考えられているからです。毎回同じ場所を刺すよりは前回とは少し違う場所に刺すほうが小さな傷のついた皮膚が各々治癒するのを邪魔しません。


 →☆猫さんの痩躯が激しく皮下脂肪が少ないときのtipsは、清水邦一・清水宏子@清水動物病院「皮下輸液を快適に(Ⅲ)」NJK2008年9月号PDF]に図解入りで書かれています。 ←…リンク切れ。NJK バックナンバー2008年9月号 up!
 「 極度に痩せて皮下組織がほとんどない動物では、刺入後に皮膚を突き抜けたり、肋骨などの組織に当たってしまい、確実に皮下に入れることが難しいこ
とがあります。針先を皮下に少し入れましたら、輸液剤を少量入れます。皮下に間隙ができますので、さらに注射針を深く入れることができます(図2)。」


※翼状針を刺したあとは大人しい猫さんであれば指を離しても大丈夫です(^_^;うちの猫はどの猫も(「ちびこ」[携帯]や「ジェジェ」は画像の通りですが‥これまでに施術した猫たちはみなにゃんとも)針をさしたままでも動かずにそのままじーっと寝てたりします‥。

※輸液療法にまだ慣れていない猫さんや暴れたりする元気猫さんの場合は、皮膚と翼状針を両方ともを2本の指で重なる具合に(針が自然の力で抜けないように、という程度で)そっと抑えておくといいと思います。指を押さえてられない場合には医療用の紙テープで翼状針と翼状針のライン部分を抑えておく方法もあります。

★★輸液量の体得方法★★
猫さんの皮膚にできる輸液溜まりの大きさも触りながら下記の滴数から予測できる輸液時間輸液後の計測で輸液パックの目盛りとの対応を憶えることにより、ラインでの輸液量を体得することができます。

輸液時間の目安はラインに書かれている「1mlあたりのだいたいの滴数」を基準に検討をつけることもできます。私の使っているテルモ株式会社製造販売の「テルフュージョン輸液セット TS-A450PK」であれば「15滴≒1ml」となっています。手元にストップウオッチを持ち15滴落とすのにかかる時間を計測します。もしも5秒かかるのであれば5秒=1mlですから、100ml輸液するのにおおむね500秒かかると予想されます。1分あたり60秒ですから500秒/60=8分33秒となります。*1

なお輸液時間を短縮するために利用できる加圧バッグがあります。バッグを利用すると輸液の残量が見えなくなってしまいますので輸液量の体得をしてからの利用または250ml輸液パックを使いきる方法での輸液が望ましいかもしれません(5個以上だとこちらがお得)。





●点滴が終わったら

□ 猫さんの身体から翼状針を抜きます

1. 針のささっている部分を新しい消毒綿などで軽く抑えながら針を抜きます。
2. 針のささっていた部分を軽く抑え続けて輸液の戻りを防ぎます
 (猫さんの状態や輸液の量によっては数分抑えたままにします)。
3. 同時に、翼状針のライン部分をわっかにして結び目を作ります。

ラインを結ぶ


□ 輸液パックセットの分量を量ります

※輸液を始める前に量っていた重さから差し引いた重さが猫さんの体内に入った輸液の量です。毎回メモをつけておきます。

※輸液の量は猫さんの脱水の状態や24時間で吸収される量を目安に獣医さんが決めています。輸液が吸収された時間もメモをつけておくと猫さんの体調把握に便利です。

※猫さんの皮膚に輸液溜まりが残っている状態かどうかは、猫さんの身体に「たぽたぽ」した部分がないか身体を触って確認します。24時間経っても輸液が吸収されない場合や通常よりも吸収が遅いときは獣医さんに相談して適切な輸液量の指示をいただくことが必要です。輸液量の上限をお聞きしてその範囲での裁量を獣医さんから任されている場合は、輸液溜まりが完全になくなってから次の輸液を行います(そのときの輸液量は少なめにした方が無難ですが、適切な量をかかりつけの獣医さんとしっかり相談することが安全かつ確実な輸液療法になります)。


□ 次回の輸液に備えて輸液セットを保管します

輸液の保管1
輸液の保管2


□ 医療廃棄物は部品ごとにまとめてこまめに獣医さんに返却します

医療廃棄物としてまとめる

※輸液パック、輸液ラインセット、翼状針、(シリンジ)は医療廃棄物です。使用後は部品ごとにまとめて処方していただいた獣医さんに返却します。

※廃棄物の数がある程度まとまってから返却するよりは次回受診日などにこまめに返却したほうが処方した獣医さんに「患者さんに返却を忘れられていない」と安心していただけます。


□ その後の猫さんの状態もしっかり観察します

輸液後の注意


<<感染の有無について>>

・輸液後に猫さんが輸液溜まり付近に痛みを感じさせる行動をした場合は、輸液療法を通じて猫さんが細菌感染した可能性があります。
ご自身の作業手順を見直すとともに輸液療法を処方してくださった獣医さんに相談をする必要があります。とくに細菌への抵抗力が低下した老猫さんや、高用量のステロイド剤を利用しているために免疫力の低下した猫さん、FIVなどのウィルス疾患により免疫が不全状態にある猫さんの場合には、できるだけすみやかにかかりつけの獣医さんにご連絡することが必要です。


<<輸液量について>>

輸液がどの程度の時間で吸収されているかをメモしておくと便利です。
吸収された時間の目安をかかりつけの獣医さんに自己申告すると、獣医さんも猫さんの病状を把握しやすくなります。

輸液の吸収が通常よりも遅いときは、猫さんの体調に変化が生じています。身体に浮腫み(むくみ)がでていないかどうかを猫さんの身体をくまなく触って調べてみる必要があります。
かかりつけの獣医さんにその旨をご報告して適切な輸液量を指示していただくとともに輸液療法の副作用のひとつに肺水腫がありますから他の療法についてもご相談をしてみてもよいかもしれません。

猫さんの身体に浮腫みができてしまった場合は猫さんが嫌がらなければ周辺部分を揉みほぐすようなマッサージをしてあげます。輸液溜まり周辺の血行を促進することにより輸液の吸収を手助けします。日頃から身体全体の血行を促進させるためにブラッシング(強く力を入れる必要はありません)をしておくと少しは役に立つ‥かも‥。


<< そのほか >>

・猫さんの身体に翼状針を刺したり抜いたりするときに少量の血痕を認めることがあります。
翼状針をぬいたあとに翼状針を刺した部分を軽く抑えることにより通常は止血することができます。多くの場合は針を刺したり抜くときに毛細血管に針先が当たることにより出血していますので針を「さっ」と刺して「すっ」と抜く練習をすることにより血痕を見なくて済むようになると思います('_'*)

針を「すっ」と刺すのがうまくいかない‥とお悩みの場合は針をさす部分につくった三角形のテントをさらにひっぱるように持ち上げながら針を刺して針が空間のなかに入りやすくするといいかもしれません。
※FIVを発症していたり他の疾患のために猫さんの血液中の血小板がわずかになっていて出血傾向が止まらない場合はすみやかにかかりつけの獣医さんにご連絡して適切な処置をあおぐ必要があります。




●最後に

猫さんの輸液療法は数を重ねれば確実に技量があがります('_'*)猫さんに不安を気取られぬよう(^^)人間の側が落ち着いて楽しんで(?)施術することによりスムーズにできるようになっていくと思います。

自宅で輸液療法をおこなうなかで少しでも不安になったり、細菌感染が心配になったり肺水腫が気になったら、処方していただいた獣医さんに率直に何度でもご相談になって猫さんに応じたよりよい方法を探ることが大切です。拙文がわずかでもお役にたつ部分があれば幸いです。

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自分が猫になったなら‥

猫版の私


陶・The Glass 赤坂 いまむら」の店主が描いてくださった猫版の私(^_^)。
 →☆詳細は@旧ブログにて。


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猫枕

猫枕


窓のそばでの日光浴が大好きな「ちびこ」。すきま風で風邪を引かないか‥と気になる私。自作(^_^;の猫枕ロングを設置してみたところご満悦。ふみっ‥と感触をすかさずチェック。

*  *  *


★ちびこも15歳と高齢期に入っています。保温も気になりつつもこの窓際はちびこの定位置@昼間。そこで防水シート(水色)でカバーした低反発マットのしたに座布団サイズの人間用ホットマット、そのした、つまり床のうえに断熱用のアルミシートを敷き温度をできるだけ逃さないようにしています。部屋の加湿も50-60%になるようできる限り一定にしています。

ホットマットを猫の皮膚に直接あたるように使うと寝返りなどの動作が少なくなっている老猫さんには熱すぎるようです。ホットマットのうえに布を数枚重ねたり、マットなどを重ねたくらいがほのかに暖かく気持ちよいようです。

 →☆参照:[2007-12-07の記事携帯版






夕方過ぎても移動しない「ちびこ」。

不動ちびこ


window radiatorがあれば窓際も暖かくなるようですが‥うちにはナイ。代わりに(?)素材の堅さのためか猫たちが上に乗ろうとしなかったヒーター(オレンジ色)を窓に設置してみました。猫枕からほのかに伝わる暖かさもよさそうです♪ 

*  *  *


 ★角形ヒーターの窓側面には断熱素材のものも設置しています。(その後、角形にも乗るようになりました。)
 ★同種類のヒーター丸形はどの猫さんも使ってくれます。老猫さんは熱すぎてもハウスからすぐには出にくい。そこで猫ハウスのしたに敷いたり柔らか素材にしっかりくるんで使っています。





翌日もお天気でくるくる♪

コロコロちび







もちろんこのお方も側にぴとっ。
「あたしの写真は撮らないのー?」

写真小僧福




[関連記事@老猫さんの保温]

・[2007-12-13]湯たんぽの使用一例です。[携帯版
・[2007-12-07]ホットマットに綿布カバーをかけています。[携帯版
・[2007-11-26]湯たんぽも利用しています。[携帯版
・[2007-10-04]遠赤外線ヒーター「フォトン」で乾燥を防いでいます。[携帯版


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"Le Grand Bleu"


ちびことコップ

過日、某所で出会った素敵な作品‥。

コップ


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necology? ペットボトル湯たんぽ

老猫になると温度感覚がにぶくなると同時に身動きも遅くなります。

保温が熱すぎるはずなのに気がつかずそのまま眠り続け低温火傷になったりします。保温のときには低温火傷をしないように気をつけることも必要です。低温火傷は怖い。表面の傷が小さくてもその奥はじっくりと焼けているためロースト状態。治りは遅くズキズキと痛い(経験者談(涙))。

熱すぎることを察知できる猫さんの場合はより快適な場所を探そうとあちこち動き回って苦労したりします。そこで猫さんの状態に応じて保温にささやかな一工夫が必要になります。まずは保温器具に猫肌を直接触れさせないことに気をつけています。

ある程度動ける猫さんの場合には猫ベッドのしたヒーターを置いたり(下記画像参照)、ホットマットうえに厚めの生地の布を数枚重ねたり、体圧分散の低反発クッションやPEPPYのハニカムクッションマット・ドット柄を重ねたりして使っています(2007-11-23「猫枕」携帯版])「穏やかな暖かさ」が目標です(*´ー`*)


リボンベッドのちび
↑のベッドと床のあいだにカバーつきのヒーターが仕込まれています‥。
表面を「強」にすると熱く感じるようで這いだしてくることもあります。
長時間おこもりするときは「弱」の低温設定にしています。
猫さんを動かさずにヒーターを裏表にできるので便利!


ほとんど動けない猫さんの場合にはホットマット以外に「湯たんぽ」を使っています。電気器具を使ったときのようには脱水しにくいこと、一定程度以上は温度があがりにくく時間の経過によって温度が下がることが利点です。

特に便利なのが「ペットボトル」を利用した湯たんぽです。必要なのはペットボトルとそれを包む布、お湯です。高温のお湯を入れますので、ペットボトルは素材が厚めで耐熱のものを使います。飲み口のてっぺんまでお湯をいれて空気をできる限り入れないようにします。布はお湯で低温火傷しないよう「しっかり」と包むのに使います。便利なのが100円均一@ダイソーで購入した人間用のフリース靴下たち(下記画像参照)。500ml~1Lのペットボトルがぴったりと入ります。

 ★フリース靴下のサイズはフリーのみ。同一柄で1セットです。
 ★うちではこの靴下を複数購入。靴下のなかに綿をいれて封をして簡易猫枕としても使っています@2007-11-08記事携帯版]。

この「湯たんぽ」を猫さんのベッドの端っこに置き全体を布でかぶせておきますと‥しばらくすると全体がぽかぽかになっています(*´ー`*)

ペットボトル湯たんぽ
★見本のペットボトルは1リットルサイズです。


人間の私も就寝前のベッドに入れて布団の保温に使ってみて暖かい!を実感。昨シーズンはこの湯たんぽにかなりお世話になりました♪


[参考になるページ]

湯たんぽの勧め(四畳半の住人さん)
 ‥湯たんぽ導入にあたって熟読させていただきました。同居猫さん「しじみ」ちゃんの日記はこちら。病気や怪我などの記録もあります。


[関連記事@老猫さんの保温]

・[2007-12-13]湯たんぽの使用一例です。[携帯版
・[2007-12-07]ホットマットに綿布カバーをかけています。[携帯版
・[2007-11-23]低反発クッション下でホットマットを利用してます。[携帯版
・[2007-10-04]遠赤外線ヒーター「フォトン」で乾燥を防いでいます。[携帯版

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「老い」と「運」

動物たちの「老い」

「老い」は誰しも避けられません‥。老犬は老猫よりも痴呆になることが多いようです。老犬は白内障などで視力も悪くなっています。それでも猫と異なり犬には行動範囲を広くしていくだけの体力と脚力があります。とりわけ足腰がまだしっかりしている場合には注意が必要です。門扉が思いがけず開いているときに外にでて徘徊することがあります。


徘徊老犬さんを探すときのtips

徘徊した老犬を見失ってしまったときは「できる限り早く周辺を探す」ことが必要です。このときには老犬の特徴的な行動にも気をつけると探しやすいかもしれません。老犬は疲れやすいのでなるだけ体力を消耗しないように移動します。暗いところよりは明るいところに、風がふいているときには風下に、傾斜のある場合には低くなっているほうの向きに歩いて行きがちです。そのため移動しているうちにや川に転落してしまうことが少なくありません。


わんこのコロちゃん
たまたま出会って運良く無傷で保護できた老犬さん。
首輪をしていなかったので紐でとりあえず保定。
保護にはたくさんの方々のお手をお借りしました(多謝!)。



警察にも届けておきます。

↓ 犬を保護した場合の預り書 ↓
(旧法令に基づく届け出の一例)
拾得物預り書2007

犬を保護しても、犬を見失っても、最寄りの警察署に届けておくことでご家族との遭遇率がupします。

画像の老犬さんもご家族がすぐに警察に届け出をなさったので無事に警察署で対面できてご自宅に一緒に帰ることができました。老犬「コロ」さんは15歳、接触性皮膚炎があったため首輪をしないようになっていたそうです。

 →★2007.12.10施行の改正遺失物法下での警察署の対応はこちら携帯版up!


 →関係部署による広報
 ・12月10日から改正遺失物法がスタートします
 ・改正遺失物法の概要警察庁
 (Mac-userの私はスライドファイルを読むことができませんっ)

☆上記画像の灰色は警察署に関する情報、黄色は拾得者(=筆者:動物保護者)に関する情報、オレンジは印鑑を保護するために処理しています。

★→部分は犬を処分するまえに筆者まで必ずご連絡をお願いしたいために記載していただいたものです。警察署での一時預かりのときに無駄吠えや咬傷などで保管期限前に犬が処分される可能性もあると警察官の方々から説明を受けました。


関係各所にも連絡&問い合わせをしておきます。

行政機関の詳細は[迷い犬や猫の情報公開 @行政携帯版]]をご覧ください。その際には、居住地のある都道府県のみではなく近隣の都道府県にも問い合わせを行うこともご検討ください。ひたすらに歩いているので、老犬であっても思いのほか遠くまで歩くことができます。

近隣の動物病院にも通院記録があるかどうかを問い合わせることも役にたつかもしれません。


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