猫といねむり。

: 猫と暮らす毎日の備忘録 :

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

※はじめてこのblogにいらした方は[はじめに携帯版]をご覧ください。

PageTop

猫の喘息@自宅でのエアゾール治療

●猫が咳をしたら‥

猫が咳をする原因はいくつか考えられます。気温が下がったことによる体調不良やいわゆる猫風邪、鼻炎や慢性的な気道炎症から生じる上部気道炎、肺炎などの下部気道炎、肉芽腫、心疾患、腫瘍、横隔膜ヘルニアなども考えられます。信頼できる獣医さんのもとで必要な検査を受けて診断をしていただくことが第一です。なぜなら咳をしているという状態が同じように見えても咳のでる原因によって治療が大きく異なるからです。

少なくとも体重の増減チェック、血液検査心音チェックX線撮影をしておくことが大切です。

・体重検査‥腫瘍の場合は痩せていくことが多いです。くしゃみや鼻汁が季節を問わず止まらないときも腫瘍の可能性を排除できません。
・血液検査‥アレルギーの有無の見通しをつけます。好酸球値とγグロブリン値が高い場合には要注意です。
・心音チェック‥心臓の状態、胸水の有無を一応確認していただきます。
・X線撮影‥肺や心臓等の内臓の状態をチェックしていただきます。

アレルギー性の喘息は他に原因のないことが確定してなされることがあります(除外診断)。場合によってはCTや気管支鏡検査等を経てアレルギー性の喘息であると確定診断されることもあります。


●喘息と診断されたら‥

うちにも「アレルギー性の喘息」と診断された猫さんがいます。13歳の夏頃に発作が始まりました。呼吸器系の疾患はみているほうも辛い。しかし本猫はさらに辛い。撫でてもらって嬉しいと喉を鳴らし始めるやいなや激しい喘息発作です。感情の起伏が起きないよう「絶対安静」が必要でした。

※喘息の病態はメルクマニュア家庭版(人間用)に気管の狭まる様子を図示して分かりやすく書かれています。

発症当時に処方されたステロイド剤+気管支拡張剤(テオフィリン)の内服ではこの病態をコントロールできませんでした。

 →☆詳細:猫と喘息のくすり携帯版

14歳の冬、インターキャットの注射をしました(1日置きの3回皮下注射)。翌日から約4ヶ月間、咳と喘息発作は治まりました。

しかし春から夏への移り変わり時に発作が再燃しました。そこで希釈したインターキャットを口腔内滴下しました。これにより比較的安定したコントロールとなりました。咳はほとんど出ず、明け方の発作もありませんでした。

夏から秋への移り変わりにはインターキャットの口腔内滴下ではコントロールが難しくなってきました。興奮・ストレスから喘息発作が起こります。明け方の喘息発作も毎日です。


Aerokatを使う猫さんたち

猫の喘息治療のひとつに猫用に開発された「Aerokat」を使ったエアゾール治療があります。

うちの猫さんも今日(2007-09-16)から猫用エアゾール AeroKatを使って喘息のコントロールを試すことになりました。主治医さんからのご提案です。予防薬としてのステロイド(フルタイド50μgエアー)で喘息をどこまでコントロールできるか確かめることが大きな目的です。別疾患(免疫介在性多発性関節炎)のためステロイドの内服と自宅での皮下輸液携帯版]を併用しています。


★すでにArokatを使って喘息コントロールをしている猫さんたち

・2006.9.8から継続しているミリちゃんとpopiさん
「ミリの咳・喘息の治療」Thank you Nyanko環境対策処方食などについても詳しく書かれています。

・2004.6.30から継続しているサスケちゃんときららさん
サスケの吸入歴猫の喘息)@☆☆にゃんズ!‥アメリカでの治療方法・小児用のエアゾールとの違いについて詳しく書かれています。


猫の喘息治療のプロトコルと症例報告

日本では猫さんの喘息治療はまだ進んでいません。咳の症状が酷いと思われる場合は上記の除外診断を経たうえで咳の状態を動画で撮影するなどして獣医さんに正確に伝える努力も必要です。下記の論文等を主治医さんにご覧戴くことも一助になると思います。

下記の最新の日本語論文もきっと助けになると思います。(インターネット上で読むことはできません。)

・前田貞俊(監修:前田貞俊、水野拓也、増田健一)「■小動物アレルギー性疾患の基礎と臨床~病態に基づいた診断と治療の実践を目指す~第22回 猫の気管支喘息の病態、診断および治療 」月刊CAP2008年6月号(株式会社緑書房発行)56-61頁。 up!


@英語
・AeroKatを使ったステロイドの吸入についてのプロトコル[PDF]@Feline Asthima with Fritz the Brave
 Dr. Philip Padrid, RN, DVM, "Feline Asthma, Treatment Guidelines for Using Inhaled Medication,Flovent™ (fluticasone propionate) and albuterol metered dose inhalers with the AeroKat™ Feline Aerosol Chamber",2004.
猫さんの喘息の程度の判定基準、各程度に応じたステロイド剤の吸入パターンと症状が治まらない場合の内服処方も書かれています。

・c.f. Gary D. Norsworthy 編著,The Feline Patient 3rd.ed.,Blackwell Pub Professional(2007.1.12)25p においてもaerokatを使った自宅でのエアゾール治療(成分名フルチカゾン等の吸引)について画像@Figure11-2とともに触れられています[google book]。


@日本語
・Dr. 小宮山の伴侶動物へのやさしい(優しい)獣医学
 ・猫の喘息について―Feline asthma―(飼い主向け)
 ・猫の喘息の診断と治療(獣医師向け)小児用エアゾール利用の写真を紹介。猫さんの咳@動画もあります。小児用エアゾールと猫用エアゾールの違いはきららさんが「チャンバーとマスク」で詳しく書かれていますので是非ご参考ください。

気管支鏡検査により猫喘息と診断し、ステロイド吸入療法で管理した1例
@城下幸仁・松田岳人(相模が丘動物病院
 症例報告。吸入器は小児用。デポメドロール注射で糖尿病を併発ステロイドの吸入治療により喘息が改善したものの非協力的になり他の療法を採用。詳細は
城下幸仁「猫の気管支喘息をどうコントロールするか:猫の気管支喘息と診断した3例」2006(スライド討論)[web魚拓


猫用エアゾールの入手方法

★私自身はかかりつけの獣医さんからの処方にてAerokatを入手しています。

★日本で開業されている獣医さんのなかにも個人輸入によりAertokatの処方をなさっておられる方が複数おられます。まずはかかりつけの獣医さんからの入手や、すでに他の猫さんにAerokatを処方されておられる獣医さんへのご紹介とその獣医さんからの入手を検討することが現実的かもしれません。

AeroKat or http://www.aerokat.com/ :ページ下の購入案内ページへのリンク。
Aerokat Feline Aerosol Chamberpetmeds.co.ukでは海外からの注文も可能@FAQ


使い方

・吸引を猫さんにお知らせします。
・MDIをよく振ります。
・猫さんを利き手の方向を向かせる形で横向きに「だっこ」します。
 →猫さんがrelaxしているときはそのままでOK!
・他方の手で猫さんの首をうしろからしっかり支えます。
・猫さんの鼻と口を包むようにしてカップを押し当てます。
・フルタイドを噴射します。
・猫さんの「息を吸う」動作を確かめながら数十秒保持します。

Feline Asthma with Fritz the Braveに写真があります。吸引カップは顔面に軽くあてる程度です。


Aerokatに猫さんが抵抗するんだけど?

猫さんがAerokatに抵抗する場合は器具に慣れてもらうことから始めます。Aerokat=怖くない(ご褒美をもらえる)と理解してもらうことが大切です。

◇具体的な一方法:

どの段階においても終わったあとにご褒美をあげると猫さんの習熟度がupします。
・「カップを鼻と口にあてること」だけに慣れてもらう
・「カップ+チャンバーを鼻と口にあてること」に慣れてもらう
・「カップ+チャンバー+MDIを鼻と口にあてること」に慣れてもらう
・ いよいよ噴射です。「1puff」に慣れてもらう
・ 必要回数の噴射にも挑戦します

じっくりと時間をかけて焦らずに取り組むとよいです。
猫さんは適応能力が高いです。猫さんから信頼されている人間が時間をかけて丁寧に治療を提供することこそが、猫さんがAerokatの利用に慣れていくことにつながります。吸入により呼吸が楽になることを念頭においてめげずに取り組まれることを祈っています。

吸引は外用薬です。内服や注射のステロイド剤とは体内への吸収ルートが異なります。Aerokatは通常量100~200μg/日最大量800μg/日というわずかな量で喘息をコントロールします(μ=10-6)。内服や注射のステロイド剤はmg単位での利用です(mili=10-3. 1000μg=1mg)。吸入するステロイド剤の量が内服や注射と比べてとても少ないことがお分かりになると思います。詳細は猫とステロイド携帯版]に書いています。


どんなもの?

AeroKatセッティング


器具をセットしたところです。カップを猫さんの鼻部分を中心において軽くあてます。オレンジ色のカセットの上部を押してステロイドを噴射します。

★2007年12月現在リニューアルされたAerokatが販売されています。

↓ リニューアルしたaerokat外観 ↓up!
newaero1

↓ パフをつける部分に違いがあります。↓  up!
newaero2


 →☆参照:もっと詳しい写真と使用感をpopiさんのDiary(2008-07-09)にて見ることができます。

☆買い換えるときに申し出ると10%OFFになるらしいID番号は↓ココに刻印されています。> thank you! popiさん&きららさん。

aerokatのロットナンバー



[猫の喘息についての関連記事]

・[2007-10-08携帯版] 喘息猫さんの環境対策について書いています。
・[2007-11-10携帯版] 新しいアレルギー検査方法についてのお知らせです。
・[猫とステロイド携帯版] よく使われる治療薬をまとめています。
・[猫と喘息の薬携帯版] 喘息の治療薬をまとめています。

※はじめてこのblogにいらした方は[はじめに携帯版]をご覧ください。

*追記*

2007/10/17 AeroKatを使いだして1ヶ月が経過しました('_'*)喘息コントロールに予想以上によい感触を得ています。シリコンカップを口にあてプシュー!という噴射に猫さんはたった数回で慣れました。怖がらず+嫌がらずに噴射をうけ、口と鼻を使って腹式呼吸を行い薬剤を吸ってくれています。

2007/11/07 AeroKatを使い出してもうすぐ2ヶ月になります。いまは横向きだっこをしないでの吸引をtrial。意外!にも猫さんには好評のようです('_'*)

2007/12/28 Aerokatを使い出して3ヶ月が経過しました。2ヶ月を過ぎた辺りから噴射のあとのご褒美なしにAerokatを使っています。特に抵抗もなくそのまま受け入れています。12月末に施術した多発性関節炎の治療の副次的効果で喘息が(一時的に)治まっています。エアゾール治療は継続しています。

2008/03/23 Aerokatを使い出して半年が経過しました。特に抵抗なくroutine workとして毎日使っています。

2008/05/16 Aerokatを使い出して8ヶ月が経過しました。毎日の吸入治療は継続しています。カップを鼻付近にかぶせて吸入すると猫さんは吸入にあわせて呼吸をしてくれています。利用に猫さんの抵抗はありません。吸入時間を長めにとることもできるようになっています(最長60秒ほど可能です)。症状は昨年のいまごろに比べると咳の回数が減少、咳の程度も重くなってはいません(ただし併用薬もあります)。

2008/08/30 Aaerokatを使い出して9カ月10日で一旦利用を停止しました(2008-06-26)。他の疾患に利用している内服薬が鎮咳に与える効果の評価をすることが目的でした。そのあいだ咳はほぼ治まっておりました。2ヶ月の休薬を経て再開(2008-08-26~)。久々のaerokatにちびこは喉を鳴らして大歓迎。 咳が楽になるのを知っているのかなと思わされました(真偽不明)。


[加筆訂正についての追記]

・2008-03-23 FC2への移転に伴い文頭の段落を付け加える加筆をいたしました。
・2008-04-01 Aertokatの入手方法について付記しました。
・2008-07-20 前田論文への言及と新しいaerokatのご紹介をしているpopiさんのdiaryへの言及を本文に追加しました。
・2008-08-30 新しいかたちのaerokatの画像を追加しました。写真撮影を快諾してくださったO先生、有り難うございました。
・2008-10-11 前田論文の該当頁数を追加し、バックナンバーへのリンクを訂正しました。 

関連記事

PageTop

コメント


←checkをいれると管理者のみ閲覧可能となります。
*ご注意ください* 
メール欄にメールアドレスを記載されると
 おなまえにリンク設定(公開)されます。
*パスワードを記入するとメッセージを送信したあとも
 [EDIT]より編集可能になります。
 

こんにちは

はじめまして。
猫の喘息について調べていてたどりつきました。
うちの猫も数ヶ月前から咳をしはじめ、併せて見つかったヘルニア治療後、今日まさにこのaerokatを獣医さんから購入したところでした。

詳しい説明や喘息に関する文献、とても参考になりました!ありがとうございます。

minabububu | URL | 2010年08月28日(Sat)14:28 [EDIT]


minabububuさんへ

こんにちは&はじめまして。コメントを有り難うございます。ブログを拝見させていただいてまいりました。可愛い猫ちゃんたちですね。そのなかで一番小さなトロちゃんが横隔膜ヘルニア手術後も咳が止まらずaerokat処方となったのですね。こちらのサイトがすこしでもお役に立ったのであればとても嬉しく思います。トロちゃんの状態がよくなるようにと祈っています。

すでにご覧いただいているかもしれませんが、拙ブログの下記ページのしたから1/5くらいのところに英語圏の関連サイトへのリンクを貼っています。英語圏では喘息猫ちゃんと一緒にくらす人たちの情報交換が多くなされているので、喘息猫ちゃんの治療について新しい情報が豊富にあるように思います。

http://goodluckcat.blog40.fc2.com/blog-entry-7.html

◆ちびねこ | URL | 2010年08月29日(Sun)14:22 [EDIT]


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。