猫といねむり。

: 猫と暮らす毎日の備忘録 :

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猫にシクロスポリン(Atopica®)

●アトピカ®ってなに?

動物用の免疫抑制剤として2005年5月に発売された「アトピカ®」。有効成分はシクロスポリン(ciclosporin, cyclosporin)です。犬の「難治性のアトピー性皮膚炎における症状の緩和」が効能・効果です(添付文書PDF1頁)。対象動物は犬に限定されており、「犬以外に使用しないこと。」との注意書きがあります(同上)。

@日本語
製品情報Q&Aノバルティスアニマルヘルス

↓ パッケージが変わっています。 ↓
アトピカのパッケージ
J-VET No.247, 23p掲載の広告より。


@英語(日本語サイトよりも詳しいです)up!
製品情報添付文書PDFNovartis Animal Health



↓ アトピカ®25mgの箱と箱書き。↓
atopicaの箱
↓ アトピカ®の添付文書と25mgシート。↓
添付文書とアトピカ

↓ アトピカ®25mg*5包(1シート) ↓
25mgアトピカ

↓ シートの上部をZOOM UP ↓
シートの上部



●シクロスポリンの特徴は?

猫に免疫抑制剤を投与する場合、まず最初に選択される薬はステロイド剤です。

→☆詳細:猫とステロイド携帯

そのステロイド剤を利用できない場合(例:高用量を投与しても反応がない場合、低用量の投与なのに重篤な副作用が生じる場合など)に選択肢のひとつとして示されるのが、シクロスポリンです。

長所は、シクロスポリンが「T細胞の活性化を直接抑制する薬剤」なので「副腎皮質ステロイドホルモン剤に比べて他の効果が少ない」*1 こと、「シクロスポリンには細胞傷害作用がない*2 ことです。

短所は、毎日利用する薬剤費としては高額なことです。
 
上述の、猫によく利用されるステロイド剤のプレドニゾロン5mg1錠あたりの薬価9.7 円です。処方料を含めた価格は50円/錠程度が平均です。

それに対して、シクロスポリンの先発薬ネオーラル25mg1カプセルあたりの薬価311.3円です。(※アトピカ®と同内容のヒト用シクロスポリンがネオーラル®<製造販売:ノバルティス ファーマ株式会社>です。)

動物用の薬として承認をとったアトピカ®25mg1カプセルの価格がネオーラル25mg1カプセルよりも安くなることは非常に稀なことです。動物病院ごとに異なるものの、500円(税抜き)と設定しているところが多いです。(c.f. アトピカ®10mg 1カプセルは300円(税抜き)と設定しているところが多いです。)

 →☆詳細:くすりの値段携帯
 →☆参照:Generic drugs(後発薬について)[携帯up!


[参考になるサイト]

 @ヒト
 ※アトピカアトピカ®と同内容のヒト用シクロスポリンがネオーラル®です。

 ・ノバルティスファーマ > シクロスポリンについて
  ‥ネオーラル製剤写真と使い方、利用時の注意事項もあります。

  ・ネオーラルの添付文書医療用医薬品の添付文書情報
   @独立行政法人 医薬品医療機器総合機構


 @イヌ

 ・永田雅彦Animal Specialist Center(旧ASCどうぶつ皮膚病センター)院長)
  「犬の皮膚科診療におけるカルシニューリン阻害薬
  『日本獣医師会雑誌』Vol.59 No.2 (2006)

 ・どうぶつの皮膚病
  > アトピカについてジェネリック医薬品~アトピカの擁護~


 @イヌとネコ 
 ・cyclosporine(英語)
  > ANIMAL PHARMACY CENTER


●猫にもシクロスポリンは使われているの?

免疫介在性の疾患やアレルギー性皮膚疾患などに利用例があります。アメリカでは、他剤に反応しない喘息発作を起こす猫の治療薬のひとつとして最近利用されています(Feline Athma@ANIMAL PHARMACY CENTER; "Cyclosporine: The use of cyclosporine in asthma is relatively new. Cyclosporine is an immunomodulator often used in organ transplant patients. It is very expensive and is generally reserved for asthmatics who have not responded to other treatments." )


下記に症例報告を発表年逆順に羅列しました。[PDF]をクリックすると本文PDF書類のダウンロードが始まります。


岩崎利郎「皮膚科領域におけるアトピー性皮膚炎以外でのシクロスポリンの使用について」『J-VET』第20巻10号(通巻247号、2007-10)20-22頁。
 ‥「猫のアレルギー性皮膚炎の治療においてシクロスポリンは5~10mg/kgで奏功し、早いものでは数日で改善がみられることがある。‥東京農工大学付属動物医療センターでシクロスポリンを用いた猫の瘙痒性の皮膚炎11例では、ほとんどが4週以内に用量を減らすことが可能であった。ただし、薬剤の減量により再燃した例もあった。」(21頁)Case3(22頁)に症例あり。


・毛利崇, 高島一昭, 山根義久, 関口麻衣子, 岩崎利郎「色素性蕁麻疹の猫の1例」動物臨床医学, 15, 131-134 (2006) .[html abstract][PDF
  ‥9カ月齢のスフィンクス雌に生じた全身性のそう痒を伴う色素性蕁麻疹の症例。早期にプレドニゾロンと抗ヒスタミン剤を用いることによって速やかな寛解を得、シクロスポリン単独で良好に維持。第417病日に完全に投薬を中止、第466病日現在、シクロスポリンから離脱し無投薬で再発もなく経過。本症例では「左右臀部や四肢における多毛傾向と一時的な下痢が認められ‥多毛傾向はシクロスポリンの減量に伴って消失したことから、シクロスポリンと何らかの関連があると思われた。」(134頁)ことも興味深い。


白永伸行, 筑網麻里絵 白永純子「乳び腹水を併発した汎血球減少症の猫の1例」平成18年度日本獣医3学会(中国)発表演題。於日本小動物獣医学会(中国)。[html][PDF]@シラナガ動物病院(山口県)
 ‥汎血球減少症、FIV(+)の雑種雌猫の症例。


水越健之松川拓哉安川邦美、松本秀文、松村晋吾長崎鉄平下田哲也山陽動物医療センター(岡山県)「猫白血病ウイルス陽性の赤芽球癆の2例」動物臨床医学 Vol. 15 (2006) , No. 1 pp.1-4 [PDF]★リンク切れ★‥→[J-GLOBAL ID:200902244426930836 整理番号:06A0350868up!


・「シクロスポリンAで猫アトピーの治療を受けている猫における致死的な全身性トキソプラズマ症の1例」獣医皮膚科臨床 2006年3月号Vol.15 No.3 [目次]‥[J-GLOBAL ID:200902277018984648 整理番号:06A0221046


CHIARA NOLI, STEFANO TOMA (2006) Three cases of immune-mediated adnexal skin disease treated with cyclosporin Veterinary Dermatology 17 (1), 85-92.[abstract][魚拓は不可能]
 ‥シクロスポリンで良好にコントロールされた肉芽腫性の毛包炎(毛嚢炎)およびせつ症の一例と皮脂腺炎の一例の2猫、円形脱毛症の一例[犬]の症例。
 →★和訳「免疫介在性の皮膚付属器疾患をシクロスポリンで治療した3症例」村井妙 訳『獣医皮膚科臨床』2007年9月号Vol.17 No.1 増刊号(学窓社)


C Noli, F Scarampella, Prospective open pilot study on the use of ciclosporin for feline allergic skin disease, Small Anim Pract. August 2006;47(8):434-438.[abstract
 →★和訳「猫アレルギー性皮膚疾患に対しシクロスポリンに関する前向きオープン予備研究」:皮膚病週間週刊V-magazine過去ログweb魚拓
 ‥「アレルギー性皮膚疾患の症状を持つ10頭の猫に、シクロスポリンを1日1回3.6-8.3mg/kgで1ヶ月間投与」した0日と30日後の評価(後述の2004年の論文と同様の方法でシクロスポリンの効能を評価)。


・A. Vercelli, G. Raviri, L. Cornegliani (2006) The use of oral cyclosporin to treat feline dermatoses: a retrospective analysis of 23 cases Veterinary Dermatology 17 (3), 201-206.[abstract
 →★和訳1:前田貞俊訳『獣医皮膚科臨床』2007年9月号Vol.17 No.1[出版社][web魚拓
 →★和訳2:「猫の皮膚疾患に対するシクロスポリンの経口投与:23症例の回顧的研究」:週刊V-Magazine過去ログ>皮膚病web魚拓


C Noli, F Scarampella (2004) FC-41 A prospective pilot study on the use of cyclosporin on feline allergic diseases. Veterinary Dermatology 15 (s1), 33-33. [abstract
 ‥★概訳「猫のアレルギー性皮膚炎に対するシクロスポリンの利用に関する前向きオープン予備研究」:アレルギー性皮膚疾患の症状を持つ10猫が対象(掻痒と紅斑[10猫]。円形脱毛症[7猫]、好酸球性プラーク[5猫]、顔に紅斑[3猫]、粟粒性皮膚炎[1猫]、好酸球性肉芽腫[1猫])。シクロスポリンを1日1回5 mg/kg を1か月間投与。0日目、30日目にオーナーがビジュアルアナログスケールで痒みを評価し、獣医師はFEGEPESIを利用して皮膚病変を評価。50%の猫で痒みが50%以上減り、50%の猫で病変部の改善または全失が見られた。しかし全体的な掻痒とFEGEPESIに顕著な改善はなかった。結論として、シクロスポリンは約半数の猫の掻痒と好酸球性皮膚炎治療の助けになる。[和訳:ちびねこ]


シクロスポリンを使用した猫の2例 2003年3月web魚拓]< カンファレンスPet Clinic アニホス (東京都板橋区)
 ‥「免疫介在性疾患とみなし、ステロイドを第一選択薬としたが、ステロイド抵抗性もしくは医原性糖尿病等、副作用の問題で長期寛解が困難であった。その代替として使用したシクロスポリンだが、良好な経過を得ることができた。」
 ‥ ①免疫介在性の多発性関節炎の疑いがあるものの長期のステロイド投与が困難な猫にシクロスポリンを併用した症例(ステロイドは漸次休薬)と、②好酸球性肺炎の再燃した猫にステロイドを再開したものの血糖値が高くなり(他院で医原性糖尿病の既往歴あり)シクロスポリンを併用した症例(ステロイドは漸次休薬。インシュリン療法は併用)。


・Richard W Mitchell, Phillip Cozzi, I Maurice Ndukwu, Stephen Spaethe5, Alan R Leff1, and Philip A Padrid, Differential effects of cyclosporine A after acute antigen challenge in sensitized cats in vivo and ex vivo,British Journal of Pharmacology (1998) 123,1198-8211;1204; doi:10.1038/sj.bjp.0701716[html][web魚拓
 →★タイトル和訳「 in vivo および ex vivoに感作した猫における急性の抗原刺激後のシクロスポリンAのdifferential effect」


Padrid PA, Cozzi P, Leff AR. Cyclosporine A inhibits airway reactivity and remodeling after chronic antigen challenge in cats. Am J Respir Crit Care Med 1996;154:1812-1818.[html][web魚拓
 →★タイトル和訳「シクロスポリンAは猫の慢性的な抗原刺激後の気道活性・リモデリングを抑制阻害する」
 →★引用和文献:城下幸仁「猫喘息」@相模が丘動物病院会場での討論 Q3参照)‥★病院のリンク以外はリンク切れ★
 →☆参照:Use of Inhaled Medications to Treat Respiratory Diseases in Dogs and Cats, Journal of the American Animal Hospital Association 42:165-169 (2006)
 →☆参照:猫と喘息のくすり自宅でのエアゾール治療猫の喘息


●なかみはどんなもの?

↓ 開封してみました。 ↓
開封したアトピカ

アトピカの大きさ比較

25mgカプセルは横幅が1.4cmほど、胴体部分の周囲が0.82cmほどの、ラグビーボール状の楕円球型をしています。灰色がかったようなくすんだ水色(?)の皮に包まれています。開封後のカプセルに鼻を近づけると、皮を剥いた玉葱のような匂いが(タブン)します。

↓ プレドニン錠とも比較 ↓
プレドニゾロンとも比較


●使うときの注意は?

○事前チェックについて

シクロスポリンは免疫抑制剤です。そこで、投与対象の猫さんに既往のウィルス疾患があるかないかを確かめておく必要があります。免疫抑制作用によってウィルスが増殖する可能性を考慮にいれて推移を見守る必要があるからです。

シクロスポリンは肝臓で代謝されます(c.f., cyclosporine--"CONCERNS AND CAUTIONS" @ANIMAL PHARMACY CENTER)。肝疾患の猫さんの場合は投与を避けるほうが望ましいです(同上:"Cyclosporine is removed from the body by the liver and is best avoided in patients with liver disease.")。

他の薬剤以上に、腎障害肝臓障害がある猫さんへのシクロスポリン投与は慎重にしなければなりません(添付文書1-2頁 4.「適用上の注意」(3)(4)参照)。投与後は「頻回に臨床検査(血球数測定、ピリルビン、AST、ALT等‥クレアチニン、BUN、尿検査等)を行うなど、観察を十分に」する必要があります。


○投与方法について

まず、投与時間に注意が必要です。空腹時に投与することでシクロスポリンの血中濃度を高く維持することが推奨されています。胃がからっぽのとき--つまり、食事の1時間前か食事の2時間後--に投与するのが望ましいとされています(c.f., cyclosporine--"CONCERNS AND CAUTIONS" @ANIMAL PHARMACY CENTER; "Cyclosporine is best given on an empty stomach (either 1 hour before a meal or 2 hours after a meal).")。処方する獣医さんからは、食後2-3時間以上、食前2-3時間以上あけての投与という指示をいただくことがほとんどです。

しかし、後述のように、溶剤による刺激で「投薬後の嘔吐」と「下痢」が起こることがあります。溶剤の刺激を緩和するためには、血中濃度が下がることを容認しつつの食中の投与、整腸剤の利用などの方法があります。それでもなお、嘔吐や下痢が何度も続くようであれば薬剤の変更対象となりえますので、処方していただいた獣医さんに必ずご相談します。

つぎに、確実な投与にも注意が必要です。投薬時に猫が噛んでカプセルの中身がこぼれでないようしっかりと喉奥に落とし込む必要があります。失敗すると高額な薬剤だけに悔やみきれない‥と思います。。不安な場合は投薬補助製品を使うとよいかもしれません。たとえば、カプセルをオブラートで包んでから全体を水に軽く通してから投与すると、喉奥にするっと入っていきます。

 →☆参照:投薬の補助携帯

さらに、投与することを忘れても追加しないことに注意が必要です。1日1回の投与の場合、ある1日が抜けたからといって翌日その分を加えて2倍量投与することは危険ですので絶対に避けます。投与を忘れたことをメモに記しておき、次の通院時または電話などで獣医さんに正確に報告をします。

なお薬剤同士の相互作用にも注意を払う必要があります。アトピカ®の添付文書PDFに書かれている相互作用のある薬剤を同一時期に処方されている場合には、投与方法と投薬時間について、処方していただいた獣医さんに必ず確認をします。


○副作用について

まずは用量依存性の胃腸障害です。シクロスポリン自体には細胞傷害性がないので、溶剤による刺激が原因と考えられています。前述のように投与後すぐに現れる場合があります。投薬を食間から食事中に変更することで体調への悪影響を最小限に留めることで対処できる場合もあります。投与をつづけているうちに嘔吐が治まることもあります。(c.f., cyclosporine-"SIDE EFFECTS"@ANIMAL PHARMACY CENTER)アトピカによる嘔吐が治まらない場合でも、他銘柄の薬剤に変更することにより嘔吐が消失することもあります。

そのほかイヌの場合には「歯肉肥厚、耳介、肉球および皮膚のいぼ病病変、被毛状態の変化」が添付文書PDFに記載されています(1頁)。このうちネコの場合に現れた被毛状態の変化として多毛が関連性あるものとして、上記症例報告のなかで挙げられています。*3 

可逆的な骨髄機能抑制が開業獣医さんからの説明で挙げられることがあります。しかし、「シクロスポリンには細胞傷害作用がないため、一般的に骨髄抑制などの重篤な副作用が現れる危険性が低く、使用しやすい。」との大野報告があります。*4

また代謝を担う肝臓への負担と腎障害も獣医さんからの説明で挙げられています。この点、「個人的な経験ではもっと低濃度(600ng/mL)でも肝酵素値が急激に上昇する場合がある。腎障害がみられることはきわめてまれである。」との大野報告もあります。*5


一般的にシクロスポリンは効果が現れるまでに2-4週間ほどかかります。(ただし、岩崎報告では「早いものでは数日で改善がみられることがある」となっており個体差もあります。*6 )投与開始後2-4週間たって、投与によるメリットを評価するとともに、それまでのあいだに上述の頻回の臨床検査によってできるだけ早くこれらの端緒をつかみ、万一に備える必要があります。

なお猫へのアトピカ®投与は効能外使用ですので添付文書PDFには何も書かれていません。これはアメリカでもおなじことです。(c.f., cyclosporine-"SIDE EFFECTS"@ANIMAL PHARMACY CENTER:"Atopica, the Novartis product, is labeled for dogs over 4 lbs only. Use in cats or in smaller dogs is considered "off label" and has not been approved by the FDA.")


●おわりに

猫にシクロスポリンを使う症例はまだ多くはありません。猫に生じた免疫介在性の疾患でおもにステロイド剤を減薬または中止する場合の選択肢のひとつとして、シクロスポリンの投与経験のある獣医師のもとで限定的に使われているのが現状です。かかりつけの獣医さんに投与経験を率直におたずねになることは失礼にはあたりません。経験値の高い獣医さんをご紹介いただくことも充分検討に値します。


[注釈]

*1 増田健一「飼い主にこう訊かれたとき 第3回 アレルギーの記憶と検査」Clinic Note 2008 Apri.,pp.34-39., 引用はp.38。

 →☆参照:[memo]アレルギー検査携帯版


*2 大野耕一「免疫抑制剤の種類と作用機序」『J-VET』第20巻10号(通巻247号、2007-10)12-16頁、引用は14頁。

J-VET同号では「特別企画 自己免疫性疾患におけるシクロスポリンの使い方」が収録されています。2007年8月10~12日に開催された第4回日本獣医内科学アカデミー学術大会での講演を一部収録したものです。ただし、辻本元「免疫介在性血液疾患におけるシクロスポリンの使い方」(17-19頁)の対象は「主に犬のIMHA[免疫介在性溶血性貧血]、IMTP[免疫介在性血小板減少症]、赤芽球癆(pure red cell aplasia; PRCA)の3疾患」であり、猫は対象になっていません。


*3 毛利崇, 高島一昭, 山根義久, 関口麻衣子, 岩崎利郎「色素性蕁麻疹の猫の1例」動物臨床医学, 15, 131-134 (2006) .[html abstract][PDF]134頁参照。


*4 大野「免疫抑制剤の種類と作用機序」15頁。
up!このほかMark G. Papic著、尾崎博監訳『最新 獣医治療薬マニュアル』のシクロスポリンの副作用の項目においても「他の免疫抑制剤と異なり、骨髄抑制を起こさない。」とされています。同書181頁。但し、同書はアトピカの発売前の書籍(インターズー、2004年6月29日発行)であり、商品名にアトピカの記載はありません。記載商品名は以下の通り;「シーエスA CsA, シクロスポリンA cyclosporin A, ネオーラル Neoral, オプチミュン(点眼薬)Optimmune (ophthalmic), サンディミュン Sandimmune」同書同頁。See more info ; Mark G. Papich, North Carolina State University, Raleigh, North Carolina 'THERAPEUTIC DRUG MONITORING: Cyclosporine'[html][PDF](英文)‥★リンク切れ★


*5 同上。


*6 岩崎利郎「皮膚科領域におけるアトピー性皮膚炎以外でのシクロスポリンの使用について」J-VET no.247, 20-24頁、引用は21頁。


※はじめてこのblogにいらした方は[はじめに携帯版]をご覧ください。

[謝辞]

まず、Clinic Note 2008 ApriおよびJ-VET no.247 などを快く拝借させてくださった、ちびの主治医(かかりつけの獣医さん)に感謝申し上げます。ご多忙にもかかわらず丁寧にかつ分かりやすくご教示戴いています。

つぎに、いまから6-7年前の故猫の好酸球性肉芽腫の治療@東大にあたって、ステロイド剤の効果がなかった場合の選択肢として、シクロスポリンを示してくださり安心をくださった増田健一獣医師にも改めて感謝申し上げます。

そして、辻本元先生にも、同時期にFIVを発症した故猫の治療@東大をしていただきました。ご多忙にもかかわらず、簡潔で分かりやすい説明をいつもしていただきましたこと、獣医療の基本は病気をもった猫自身の生命力を中心としたものであり人間はそれを手助けすることだということを教えていただきましたことを感謝しております。同時期にサポートをしていただいたH先生、T先生にも心から感謝申し上げます。

最後に、現在の治療にあたってくださっている前田貞俊先生に深く感謝申し上げます。長時間にわたる丁寧な診察と分かりやすいご説明、処方内容の吟味をいただいております。またO先生、I先生におかれましても事前の診察と諸検査、私の理解を助けるためのご助言をいただきましたことをとても有り難く思っております。


[追記]

・2013-01-04 リンク切れの箇所をすべて訂正いたしました。新たなリンク先があるものは新しいものに書き換えしました。新しいリンク先のないものは訂正を施さず、★リンク切れ★としました。文章には加筆訂正等の変更を加えていません。

・2008-08-24 アトピカ®25mgの箱画像を追加しました。本文中の投与時間の箇所および注釈4に補筆および加筆しました。

・2008-07-30 アトピカ®25mg,10mgの価格について本文中に補筆しました。

・2008-07-27 副作用としての胃腸障害の部分に、原因が溶剤である旨の補筆をしました。

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シクロスポリン

はじめまして。うちの猫がシクロスポリンを投与する事になり
(免疫介在性溶血性貧血とおもわれる)
先輩方のブログなどが無いか検索していて辿りつきました。
今現在、家の猫に投与しているアトピカは内服液タイプのネコ用のものになります。
最近、販売されたそうです。
カプセルはとても飲めそうもない子ですので、これは助かりました。
しかし、相変わらず高額な事には変わらず、17ml入りで3万円で購入して
0.4ml/日で与えています。

まだ治療も始めたばかりなので、ステロイドも併用していますが
退院後2週間が経ち、ヘモグロビンの上昇と溶血反応が無くなった事から
これから徐々にステロイドを下げていく予定になっています。

しかし、溶血は止まったのですが
今度はそれまで良好にあった赤血球の再生像が減ってきていて
獣医の先生方も珍しい例なので、予後が分からない。との事でした。
今後もシクロスポリンは続けていく事になるかと思いますが、猫と一緒に頑張りたいと思います。

坂本 奈津 | URL | 2013年01月03日(Thu)13:33 [EDIT]


Re: シクロスポリン

坂本奈津様 はじめまして。コメントを有り難うございます。

猫さんが免疫介在性溶血性貧血かもしれないとのことで、診断にいたるまでの状態もお辛かったことと思います。同じ病気を経験された方々のブログをすでにご覧になられていることと思います。アトピカ以外にも免疫抑制剤を使われている経験が記載されていますので、薬剤がアトピカから他のものに変更が生じた場合もきっと参考になるかと思います。

最近は、アトピカに内服液タイプがあるのですね。カプセルタイプはいったん飲ませると確実に分量を飲ませることができますが、飲み込めないときはそもそもが難しいですものね、液状だとスポイトをお使いなのでしょうか。液状タイプも金額を拝見しますと、1日あたり700円ほどになるので、カプセルタイプとほぼ同じですね。

アトピカの2週間利用で溶血が止まったのは朗報ですが、ステロイドの併用を徐々に低下させていく段階に入られ、赤血球の再生像が減ってきているとのこと。とても心配なことと思います。薬でうまくコントロールできる状態になればと願っています。

猫さんの生きる力、精神力はとても強いですから、人間はサポート役なのだなといつも思います。

今回コメントをいただいてから本文中の参考文献などにいくつかリンク切れがあるのに気がつきました。直せるところは徐々に訂正をしていく予定です。また、文献のタイトルでgoogle検索をかけると、現在のURLでヒットするものもあります。気になる文献の場合はご参考いただけたら幸いです。

ちびねこ | URL | 2013年01月04日(Fri)19:52 [EDIT]


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| | 2013年12月18日(Wed)18:40 [EDIT]


2013年12月18日(Wed)18:40の鍵コメ様へ

はじめまして。コメントを有り難うございます。

猫ちゃんにアトピカを使う症例が大学病院以外でも増えてきているのだと思わされる内容でした。これまでもブログを拝見してくださり有り難うございました。ご質問への回答のまえに、少し気になったことがあるので、書かせてください。

仮定されている病名は、確定診断されている症例が少ないとしても、好酸球性肉芽腫症候群と言われていたものの内臓に出現型に類似していると思いました。うちの猫は皮膚にできるタイプで、大学病院で治療を受けて、ステロイドのパルス療法で寛解しました。大学病院への通院期間は1年4ヶ月ほどです。最初に多量のステロイドを使ってプラーク(腫瘤なども同様と読み替えてください)を表面上完全に消えてなくし、そのあとも、しばらく微量のステロイドを使って経過観察しました。病変がステロイドの休止期間を長くおいても盛り返さないことを確認して、大学病院の通院を終え、その後は、とてもわずかな発現があったものの自宅治療(先生に教えてもらった微量のステロイドの利用)で抑えることができました。

この通院時に大学病院の先生に、皮膚上ではなく内蔵型の好酸球性肉芽腫症候群のことを教えていただきました。治療方法は皮膚上型と基本は同じで、ステロイドに反応を示さないときに免疫抑制剤の使用をするとお聞きしました。

この方針は猫がステロイドによく耐える(副作用が出にくい)こと、適量を使えば炎症抑制反応がすぐに出ること(治療効果が分かりやすく薬量コントロールがしやすいこと)、ステロイドは歴史の比較的古い薬で知見が多く薬価が安いことからも納得のいく方針であると思われます。

これに対して、免疫抑制剤(「アトピカ」もそのひとつです。)は、ステロイドに比べて歴史が浅く、薬価も高いです。また薬効がでるまでに数週間の時間がかかるため、効果の見極めがとても難しく、使いにくいものです。また、併用する他剤によって影響を受けることがあります。とくに効果が持続しすぎることがあるようです。しかし、それを見越して、わざとアトピカの用量を少なくして他剤を併用して薬価をさげるように処方する獣医さんもいらっしゃるようです。

当初は犬用の錠剤だけだったアトピカは、今では猫用の内服薬もありますね(2012年11月から。適応はアレルギー性皮膚炎で6ヶ月齢以上。)。5mL×1V/箱[1mL中、シクロスポリン100mg]です。内容は、「人用医薬品のネオーラルと全く同一の製剤」です(以下の部会議事録参照)。

http://vet.novartis.jp/m_syoureihifu/syourei013/index.html

この内用液についての動物用医薬品等部会議事録はこちら(footpage17ページ以降)です。部会は平成
24年9月11日のものです。詳細はきっと参考になる部分もあると思いますので、お時間があれば是非ご一読をと思います(すでにご覧になられておられましたら申し訳ありません。)。

http://www.maff.go.jp/nval/syonin_sinsa/gijiroku/pdf/240911iyakuhinbukai.pdf

さて、ご質問の件、うちの猫の記録を見直してみました。投薬前、投薬時に感染症の有無は気をつけていました。何度も検査したのは、FIV、FeLVです。検査用の血液に余裕があるときは、コロナウイルスの抗体価も調べていました。調べる必要があれば、感染症の有無はできるだけ正確に調べたほうが、もちろんいいことだと思います。調べずに増幅させてしまうことは避けたいものです。ただ、検査項目ごとに必要な血液量があるので、猫さんの体調次第という面もありますね。また、うちの猫さんは血清蛋白分画も調べています。こちらは感染症の有無ではなく、疑っている病因との関係からでした。

私のコメントで分かりにくい部分がございましたらコメント等でお知らせいただけましたら、補筆させていただきますので、ご遠慮なくご指摘くださいね。

目に見えない部分の病変は効果が分かりにくいので、ご心配も多いかと思います。猫ちゃんの症状のコントロールがうまくいきますように‥! 

ちびねこ | URL | 2013年12月18日(Wed)21:33 [EDIT]


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このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2013年12月20日(Fri)01:12 [EDIT]


2013年12月20日(Fri)01:12の鍵コメ様

こんばんは。とても丁寧なお返事を有り難うございます。

ステロイドの投薬でかなり改善したあとでのアトピカの投薬ということで、ご自身でいろいろと調べられて先生に提案されたという状況に、手探り状態の辛さや不安な気持ちもおありだったと想像します。かかりつけの先生も一緒にがんばってくださる方のようで、いい先生に巡り会えていらっしゃるのだと感じました。

猫用のアトピカの添付文書のURLを有り難うございます。他の方にもご覧いただきたいので、URLを記載させてくださいませ。

> http://www.us.atopica.com/pdf/atopica-for-cats-insert.pdf

添付文書の末尾を拝見すると、トキソプラズマのことが書かれていますね。アトピカの投薬中は免疫が抑制されるので、抗体を保有していない猫が外に出て感染をしていまうと命にかかわることになる可能性を指摘していますね。そのため、アトピカの投薬中は、猫を外に出してはいけない、生肉を食べさせていはいけない、捕食活動をさせてはならない、と注意書きになるのでしょうね。

アトピカ(ニンゲン薬で言えば、ネオーラル)は、そもそも臓器移植時の免疫反応を抑制するために使われる薬なので、トキソプラズマに限らず、いわゆる猫風邪等の感染も避けたいところですから、混合ワクチンを打てない状態になっているのであれば、季節に応じて、保温等にもできるだけ気をつけていかねばならないかと思います。

この種の病気は腫瘤部分を切って治るものではないので、内服薬が欠かせませんが、うまく寛解できればラッキーで、少ない投薬量で腫瘤を増長させずにやり過ごせることが次善だと思います。辛い時間を経験した猫さんが、投薬の成果として、元気で食欲もあり、楽しく、穏やかな時間を過ごしてくれているのを見ると、本当にほっとしますね。猫ちゃんの今後の経過も順調でありますようにと願っています!

ちびねこ | URL | 2013年12月22日(Sun)19:35 [EDIT]


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